SHALAMAR Three For Love Solar/OCTAVE(1980)

制作はリオン・シルヴァーズで、多くがダイナスティ関係者を中心に書かれた4作目。典型的なシャラマー流ダンサー“Make That Move”など前作から加わったハワード・ヒューイットの存在感が際立つが、極め付けは後にベイビーフェイスが本家を招いてカヴァーした名曲“This Is For The Lover In You”。ハワードの伸びやかなテナーと共にソウル・グループとしての魅力が際立つ。 *林

 

THE WHISPERS Imagination Solar/OCTAVE(1980)

前作の好調を受け継いだゴールド・ヒット盤。リオン・シルヴァーズの関与は薄まりつつ彼の作法はそのまま継承され、ダイナスティやレイクサイドの面々らがペンを交えた“It's A Love Thing”や“I Can Make It Better”など推進力のあるアップがやはりかっこいい。ニコラス・コールドウェル作の洒脱なスロウ“Say You(Would Love For Me Too)”も品の良さを感じさせる美曲だ。 *出嶌

 

LAKESIDE Your Wish Is My Command / Keep On Moving Straight Ahead / Untouchables Robinsongs(2018)

別掲『Fantastic Voyage』発表後の81~83年に残した作品の3in2仕様盤。ビートルズ〈抱きしめたい〉のソウルフルなカヴァー、EW&F風のポップ・ファンク“Something About That Woman”など、81年作の多様なマイルド感覚はやや迷走気味にも響くか。起死回生を目論んだ重厚なファンク・ヒット“Raid”や甘い“Real Love”を含む83年作の気合いの入り方も聴きどころだ。 *出嶌

 

DYNASTY The Second Adventure Solar/OCTAVE(1981)

グループの総帥として今回はジャケット(の真ん中)にも姿を現したリオン・シルヴァーズの絶好調ぶりを伝える3作目。“Here I Am”を筆頭にシャラマー風のディスコ・ダンサーが飛び出し、ファンクではレイクサイドに刺激されたような一面も見せながら突き進んでいく。細野晴臣が手掛けた幻のソロ作でも知られるリンダ・キャリエールと、リオンの妻ナイドラによる女声も麗しく響く。 *林

 

BILL WOLFER Wolf Constellation/OCTAVE(1982)

マイケル・ジャクソン『Thriller』などに参加したシンセ奏者の初リーダー作は複数のシンセを駆使した一人多重録音作で、AOR寄りのライトなファンクを展開。フィニス・ヘンダーソンらが歌い、スティーヴィー・ワンダーのお返しハーモニカ客演やテンプテーションズ曲カヴァーなどモータウン繋がりも目立つが、ソーラーの傍系から発表した本作を機に彼はシャラマーなどに関わっていく。 *林

 

SHALAMAR Friends Solar/BBR(1982)

ソーラー・サウンドを象徴する永遠のクラシック“A Night To Remember”を収め、トリオのキャリアにおいてもピークとなった6作目。シルヴァーズの面々やジェイムズ・イングラムも加わった演奏は軽妙なファンクネスを増し、“There It Is”や“I Can Make You Feel Good”などグルーヴィーな名曲だらけ。ジェフリーのムーンウォークが話題になってUKでも大ヒットを記録した一枚だ。 *出嶌

 

THE WHISPERS Love Is Where You Find It / Love For Love Cherry Red(2013)

ソーラーで絶頂期を迎えていた頃の2作を収めた2in1。A面を“In The Raw”などのダンス系、B面を“Say Yes”などのスロウ系と彼らの魅力を両サイドに分けた『Love Is Where You Find It』(81年)、ゾー!がMV込みでオマージュを捧げたブギー名曲“Keep On Lovin' Me”を含む『Love For Love』(83年)、いずれもメンバーたちが制作。リオン・シルヴァーズ作法は健在だが、後者では表題曲にジョージ・デュークを招くなど幅を広げた。 *林

 

COLLAGE Get In Touch Solar/OCTAVE(1983)

当初はアライヴァルと名乗り、ウィスパーズ『Imagination』への参加を機にソーラーと契約/改名した多人種バンドのコラージュ。ウィスパーズのニコラス・コールドウェルが単独制作したこの2作目は、“Young Girls”を筆頭にエレクトロニックなヘヴィー・ファンクが幅を利かせた意欲作に。一方、モダンな表題曲やジョニー・マティス版でも有名な“Simple”は前作のAOR路線を受け継ぐ。 *林