ピアニスト、エレーヌ・グリモーの2番目の著作で2005年に本国で出版された『幸せのレッスン』が日本語化。自叙伝と小説の間のような美しい「幻」を感じさせる。多忙な日々で自分を見失いつつある中、音楽、そして愛について、自分を見つめなおす旅に出る。各地での見知らぬ人との出会いから生まれる発見や共感、相違、さらに恩師、作曲家、自然、芸術、書物…様々なものがインスピレーションの源泉となり、自分の人生を見出していく過程に、グイグイと読みふけってしまった。グリモーの音楽への深い愛情は相当なもの(オオカミも)。