話題作のサウンドトラックを次々と手掛ける売れっ子ダニエル・ペンバートンが、スクラッチをスコアに組み合わせる斬新な試みを行った本作。昔からヒップホップにハマり、10代の頃は〈Fax +49-69/450464〉や〈ニンジャ・チューン〉から作品を発表するなど、クラブ・カルチャーに浸かっていた彼ならではの着想だが、その心意気は並大抵でなく、スクラッチ用の音源をわざわざ録音し、DMCチャンピオンのDJブレイキーにプレイさせる熱の入れよう。オーケストラが中心にあるとはいえ、ファンキーなリズムも随所にあり、スコアの領域を軽々と飛び越え、ヒップホップやエレクトロニック・ミュージック視点でも魅力的だ。