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〈オーケストラで楽しむ映画音楽X〉 カルッツかわさきで開催! 映画音楽の多彩な魅力をオーケストラ・サウンドで味わう

〈オーケストラで楽しむ映画音楽X〉 カルッツかわさきで開催! 映画音楽の多彩な魅力をオーケストラ・サウンドで味わう

オーケストラで楽しむ映画音楽

 映画音楽の多彩な魅力をオーケストラ・サウンドで味わう好企画〈オーケストラで楽しむ映画音楽Ⅹ〉が開催される(4月7日、カルッツかわさき)。今回は映画音楽だけではなく、テレビドラマの音楽、それに前回の東京オリンピックが行われた1964年頃の音楽も紹介する。またヴァイオリンの服部百音、清水アキラ、山田姉妹など、数多くのゲストも参加する盛りだくさんな内容。ナビゲーターは中井美穂だ。その公演の内容をご紹介しよう。

 コンサートの開幕は映画音楽の大家ジョン・ウィリアムスによる《Tribute to the Film Composer》からスタート。この曲は往年の映画の名作《カサブランカ》《ニュー・シネマ・パラダイス》《E.T.》《ゴッドファーザー》《スターウォーズ》《風と共に去りぬ》など、様々な映画音楽の傑作を短い楽曲の中に詰め込んだものだ。

 続いてのコーナーは若手ヴァイオリニスト・服部百音を招いた〈映画で活躍するヴァイオリン〉。ヴァイオリンが主役を務める映画は様々あるが、その中から『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』(2013年)で使われたパガニーニの《ヴァイオリン協奏曲第1番第3楽章》がまず演奏される。この映画は『不滅の恋/ベートーヴェン』などの監督として知られるバーナード・ローズの作品で、ヴァイオリニストでもあるデイヴィッド・ギャレットが製作総指揮と主演を兼ねた映画であった。そして技巧的な難曲としても知られるサラサーテの《ツィゴイネルワイゼン》。ヴァイオリン独奏とオーケストラのための楽曲だ。《ツィゴイネルワイゼン》はドイツ語で「ジプシーのメロディ」を意味する言葉で、ジプシー風のメロディが超絶技巧で歌われる。この曲は、内田百閒『サラサーテの盤』を原作にした映画『ツィゴイネルワイゼン』(1980年公開)で使われているが、この映画は鈴木清順監督による幻想的な物語だ。サラサーテ自らが演奏するSP盤の録音が映画の中に登場する。

 次いでリクエストの多い〈テレビドラマシリーズ〉の音楽。ここでは、まず「刑事ドラマメドレー」として『太陽にほえろ』『相棒』『古畑任三郎』『踊る大捜査線』が取り上げられる。そして「大河ドラマ」から『真田丸』『天地人』が演奏されるが、『真田丸』の作曲家・服部隆之はヴァイオリニスト・服部百音の父親でもあるので、ここで親娘共演が実現する。そして、特別コーナーとして、本シリーズを10年にわたりプロデュースし、昨年11月に急逝したジャズピアニスト佐山雅弘の編曲作品(『風と共に去りぬ』ほか)を演奏することが決まった。なお本公演には子息の佐山こうた氏も出演する。

 次いでのコーナーは〈Back to 1964〉。1964年(昭和39年)に行われた前回の東京オリンピック(第18回大会)の時代を振り返る。歌謡曲が全盛だった時代で、様々なヒット曲が生まれた時代でもあった。まず映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の音楽が演奏され、さらには東京オリンピックで演奏された《ファンファーレ》が続く。そして1964年頃のヒット曲メドレーへ。《こんにちは赤ちゃん》は梓みちよの歌、作詞・永六輔、作曲・中村八大のいわゆる「六八コンビ」による名作のひとつで、1963年のヒット曲だ。楽曲のヒットの後に映画も製作された。《スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ》はクレージーキャッツによるヒット曲で、1961年の作品。作詞は青島幸男、作曲は萩原哲晶。翌年には同名の映画が公開されている。《ウナ・セラ・ディ・東京》は双子のデュオ、ザ・ピーナッツが歌った楽曲。1964年のヒット曲だ。作詞は岩谷時子、作曲は宮川泰。《明日があるさ》は1963年リリースで、坂本九が歌ったヒット曲。作詞は青島幸男、作曲は中村八大である。このコーナーには清水アキラ(歌)、山田姉妹(ソプラノデュオ)が参加する。

 さらには1964年頃に公開された映画音楽が様々に登場する。『マイ・フェア・レディ』は同名のミュージカルを1964年に映画化した作品で、アカデミー賞作品賞にも輝いた。監督はジョージ・キューカー、音楽はアンドレ・プレヴィン、主演はオードリー・ヘップバーンである。《踊り明かそう》《君住む街角で》などのナンバーが有名だ。『シェルブールの雨傘』は1964年の作品。監督はジャック・ドゥミで、音楽は先頃惜しくも亡くなったミシェル・ルグランが担当していた。主演はカトリーヌ・ドヌーヴとニーノ・カステルヌオーヴォ。アルジェリア戦争を背景に、引き裂かれて行く恋人たちを描いた名作で、かなりオペラ的とも言えるミュージカルである。ルグランの多彩な才能が音楽の中に詰め込まれている。〈007シリーズ〉の第1作『007は殺しの番号』は1962年公開(テレンス・ヤング監督作品)。以後、現在に至るまでそのシリーズが継続されて来ている。有名なテーマ音楽はモンティ・ノーマン作曲、ジョン・バリー編曲だ。

 この他にも映画音楽が登場する予定で、本当に内容の濃いコンサートになりそうだ。ヴァイオリンの魅力を堪能するも良し、1964年頃の音楽でノスタルジーに浸るも良し、また、オーケストラによる映画音楽のサウンドを楽しむも良し。様々な楽しみ方が出来るコンサートになるだろう。

 


LIVE INFORMATION

ホールアドバイザー秋山和慶&佐山雅弘企画
オーケストラで楽しむ映画音楽Ⅹ

○ 4月7日(日)14:00開場/14:20プレトーク/15:00開演
会場:カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)
出演:指揮:秋山和慶
ゲスト:服部百音(ヴァイオリン)、清水アキラ(歌)、山田姉妹(ソプラノデュオ)
ナビゲーター:中井美穂
管弦楽:東京交響楽団 

 

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