ザック・コンドン率いるベイルートの3年ぶりの新作。城塞都市に触発されたという表題曲をはじめ、随所で古き良きヨーロッパ風の異国情緒が漂っているのは、ドイツやイタリアのスタジオを拠点に作られたからだろう。ザックの柔和な歌声を包むように祝祭的な雰囲気を醸すブラスやオルガンと、仄かな哀愁を帯びたアコーディオンやチェロの響きが交じり合った、ノスタルジックなのに眩いほど鮮烈なサウンドが美しい。