INTERVIEW

ブルーノ・ペルナーダス――ポルトガルから世界を射抜く。注目のマルチ・インストゥルメンタリスト、作曲家、編曲家が〈FESTIVAL de FRUE〉で初来日!

©ÍMakoto Ebi

 

ポルトガルから世界を射抜く。注目のマルチ・インストゥルメンタリスト、作曲家、編曲家が〈FESTIVAL de FRUE〉で初来日!

 ポルトガルからの異才。ブルーノ・ペルナーダスは同国の、世界水準前線にいるコンテンポラリー・ミュージックの担い手だ。82年生まれの彼は10代前半からギターを弾き始め、リスボンの音楽大学ではジャズをきっちり学んだというバックグラウンドを持つ。卒業後はその音大で教鞭をとりながら、マルチ・プレイヤー的な資質も活かした、過去の音楽にも明るい “ 万華鏡 ” 的音楽を思うまま創出。そして、現在のライヴ・パフォーマンスは数年前から自らの教え子たちとともに行なっている。

 「いろんなことをやりますが、僕はライヴでは歌いませんよ。10代の頃にはジャズ・ギターをジャズの学校で学んでいて、音大に行ってからもジャズを専攻しました。また、音大とは別にその後も学校にも通っていました。とにかく、クラッシックとジャズのハーモニーを学ぶことをとても楽しんでいましたね。そして、それをとっかかりに作曲に興味を持ちました。単なるギターに関する勉強よりも、曲を作り、それがどう進化していくかを楽しんでいたんです」

 そんな欧州の端で音楽作りを悠々楽しんでいたペルナーダスが一躍知られるようになったのは、2014年に『How Can Be Joyful In A World Full Of Knowledge』をリリースしたことによる。ラウンジ、ジャズ、アフリカ、エレクトロニカなどを自在の感覚でつないだ、ドリーム感を抱えたポップ表現で彼は好事家の間で話題の存在となった。また2016年には『Those Who Throw Objects At The Crocodiles Will Be Asked To Retrieve Them』と『Worst Summer Ever』の2作品を同時に発表。それで、彼のメロウであるのに才気走った音楽作りの手腕はより広く知られるようになった。ちなみに2016年リリースの前者は2014年作の流れにあるヴォーカル入りの視野の広いポップ盤であり、後者は自らのギター演奏を前に出した、今様なレイヤー感覚と確かなインプロヴィゼーションを抱えたインストゥルメンタルのアルバムだ。

 「もともとは、ジャズ・アルバムを次に出そうと思ったんです。でも、もう一つの(ポップ盤の)方が1年後にはレコーディングが終わっていたので、同じ日にリリースしました。ポルトガルでもジャズとポップの両刀でやっている人はいますが、僕のような音楽を作っている人は他にはいませんね」

 そんな彼の広角型で美味しい含みを抱えた2枚のポップ・アルバムは英語で歌われている。それはポルトガルだけでなく世界を目指しそうとしたからですかと問うと、「いいえ。10代の頃に米英音楽を聴いていて親しみがあったので、自分にとって英語を用いるのは自然なことでした。でも、次のアルバムではポルトガル語で歌うブラジルっぽい曲もありますよ。たとえ英語で歌ったとしても、ポルトガルらしさは自然に出ているのではないでしょうか」。

 一方、好きなジャズ・ギタリストを尋ねるとさくっと名前を挙げたのは、「ウェス・モンゴメリーやジム・ホール。今の方だと、カート・ローゼンウィンケル、メアリー・ハルヴォーソン、マイルス・オカザキとか」。もう音楽の話は何時間でもできるといった風情の彼はまさしく度を越した音楽博識者で、その興味はJ-Popまでに広がる。

 「今、歌手の間宮貴子が気になっています。僕は日本音楽のFacebookにも参加していますよ。細野晴臣とかも好きで、80年代の日本の音楽が大好きです」

 そんな彼、昨年夏には海外で評価の高い日本人インディ・バンドの幾何学模様の新作『MASANA TEMPLES』をリスボンでプロデュースもした。完全な他者のプロデュースとしては、初のアルバムになるそうだ。他方、大掛かりなオーケストレイションもできるペルナーダスは映画音楽家として本国ではエスタブリッシュされつつある。

 「2019年3月に映画のサウンドトラックが出る予定です。また、2020年には1~2枚アルバムを出そうと思っています。そちらには、ポップ、ブラジリアン、ソウル、ディスコ要素を入れたいと思います。そして、今設定するゴールは、自分のアレンジによるオーケストラ音を入れて今までの曲を再現することですね」

 


ブルーノ・ペルナーダス(Bruno Pernadas)
82年、ポルトガルの首都・リスボン生まれ。リスボンの名門音楽スクールでジャズギターと作曲、音楽理論を学ぶ。自身名義での活動以外にミンタ&ザ・ブルック・トラウトをはじめとするインディーバンドの中心メンバーとして、また演劇やコンテンポラリー・バレエの劇伴作曲など、音楽ジャンルの境界を飛び越えマルチに活躍している。

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