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自由に振り切れている近年の餓鬼レンジャー作品

 ポチョムキンとYOSHIの2MCによって94年に熊本で結成され、98年に初作『リップ・サービス』を発表、2001年のメジャー・デビューに前後してDJ/トラックメイカーのGPとHigh Switchを加えた4人組に発展するも、2005年作『GO 4 BROKE』発表後は活動休止状態になった餓鬼レンジャー。各人の活動が盛んな時期を経てHigh Switchが脱退、2013年に新曲入りのベスト盤『Weapon G』で本格再始動したタイミングからはトリオで動いてきました。

 再始動後の彼らはそれ以前に輪を掛けて甚だしいマイペースぶりを見せており、9年ぶりのオリジナル作『KIDS RETURN』(2014年)ではCherry BrownやKENTY GROSS、サイプレス上野らと並んでアイドル・グループのLinQから熊本出身メンバーを招聘し、そこにも収録された“TACO DANCE”のMVで出会ったタコ神様(ダンサーのYacheemi)はメンバーとして正式加入。さらに結成20周年を祝った2015年の『祭事』ではANARCHY、ケンドーコバヤシ、m.c.A・T、LIBRO、leccaといった謎の豪華な振り幅をパッケージングしてもいました。ただ、ヴェテランらしからぬチャレンジングな音作りも併せ、それらすべてを餓鬼レンジャーらしいバランスでしてくるあたりは流石のバランス。自主レーベルの東雲を立ち上げて臨んだ2017年の前作『キンキーキッズ』からは、サポートDJでもあったDJオショウが正式加入して現在に至っています。 *狛犬

 

餓鬼レンジャーの近作。