デビュー20周年をみずから祝うようなタイミングでお目見えしたクイーン・オブ・レゲエの10作目は、旧知のTANCOやSAMI-T、森俊也、BUZZER BEATSらに制作を委ね、(最上級の賛辞として)手堅くPUSHIMらしさを打ち出した印象。韻シストやDJ RYOWとの共演など昨年は課外活動が盛んだっただけに、このホーム感がむしろ新鮮です。イマっぽいマイルドなソカやアフロビートを隠し味程度に添えながら、不安や痛みを抱える人々へ〈時代の変化に耐えましょう〉と優しく歌い、ラストにゴスペル風の大バラード(“FOREVER”や“I pray”級の名曲!)で未来への希望を描く構成も完璧。アルバムが1周する間に3回泣きました。これで〈immature=未熟〉だなんて。控えめに言っても傑作です。