INTERVIEW

Sauce81 & Shing02『S8102』異才と奇才の結び付きから生まれた壮大なSFサウンド絵巻

Sauce81 & Shing02『S8102』異才と奇才の結び付きから生まれた壮大なSFサウンド絵巻

異才と奇才が結び付いて生まれた壮大なSFサウンド絵巻——単なるコラボレーションには終わらないアイデアとクリエイションの交信が、音の宇宙に新たな刺激を描き出して……

 昨年12月にデジタル配信という形でリリースされた、Sauce81とShing02による壮大なSFサウンド・ムーヴィー的アルバム『S8102』が、ついにボーナストラックと歌詞カード(英詞+日本語対訳)を加えた形でCDリリースされた。2012年に仙台で開催されたイヴェントで初めて出会ったという二人だが、その後、Shing02が監督を務めたショートフィルム「Bustin'」「THE DIVIDER」へのSauce81による楽曲提供なども経て、今回のコラボレーション・アルバムの構想がスタートした。

sauce81,Shing02 S8102 OCTAVE(2019)

 「一方的に楽曲を提供してもらうだけじゃなくて、コラボレーターとして一緒に新しいものを作りたいっていうところから始まって。そこから、二人の名前を組み合わせた〈8102〉っていうってアイデアが生まれて、大きい数字だし、〈未来とか宇宙的なテーマが良いかもね〉っていう話になりました」(Shing02)。

 記憶を辿りながら話してくれた二人によると、Shing02の現在の拠点であるハワイをSauce81が訪れた2014年の時点では、すでに4、5曲分のベーシックなループによるトラックも用意されていたそうだ。しかし、アルバムとして完成するにはさらに約4年の月日を要し、Shing02いわく「2017年の暮れに、〈8102〉は逆から読んだら〈2018〉だということに気が付いた」ことで、この作品を2018年中にリリースすべく、プロジェクトは急ピッチで動き出したという。

 「宇宙人に会うとか、どういう惑星に辿り着くのかな?とか、ワープするのかな?とか、宇宙旅行のいろんなシーンをイメージしながら、自分なりにトラックを作っていって。自分で作ったトラックのイメージは一応、シンゴ君(Shing02)に伝えていて。ただ、それをシンゴ君がどう解釈するかは自由。いままでも基本的にはサンプリングをせずに、どうやってネタの生感や質感を出すかっていうのはずっと意識してやってきて。今回もそれが良い形で出せたのかなって思っています」(Sauce81)。

 「初めにもらったループは、ファンキーでアップビートな感じで、浮遊感漂う、すごくスペイシーでファンタジーなイメージがあって。そこから自分の中で煮詰めて、追い込んでいく過程で、〈もう少しヒップホップっぽいもの、もう少しダークなものが欲しい〉って、どんどんとソース君(Sauce81)にオーダーしていって。そしたら、ただ宇宙を旅して楽しいっていうだけじゃなくて、もっとダークな部分。例えば地球上にあるような問題が宇宙に行ってもあるんじゃないか?っていうようなことが、英語の歌詞でどんどんと出てくるようになって。それで一気にのめり込んでいった」(Shing02)。

 “STAR DANCE”のような煌びやかなファンク・チューンに対して、2000年前後の頃のShing02を彷彿とさせる宇宙と古代エジプト文明が結び付いた“THE CRUX”や、Sauce81にとっても初の試みという90sブーンバップ的な“MISSION STATEMENT”など陰の部分が強く作用することで、アルバムのコンセプトはより強固なものとなっていった。

 「いろんな曲調のものがあるから、ヒップホップっぽくない部分もあるけど、でも、ストーリーがあるっていう意味では、ある意味ヒップホップっぽいとも思う。ウータン・クランとかもそうだけど、ヒップホップのアルバムってスキットでストーリーっぽく聴かせていくところもあるし。『S8102』はそういう作品でもあるのかなって」(Sauce81)。

 ちなみにジャケットのアートワークはハワイ島在住の画家、ハナ・ヨシハタがこのために描き下ろした作品を元にしており、実は海と宇宙にも縁のある伝統的な航海術〈スターナビゲーション〉を駆使するホクレア号の乗組員でもある彼女の作品も、本作の重要な一部であるという。なお、現在は別プロジェクトにてさらなる二人のコラボレーションが進行中とのことで、こちらも楽しみです!

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