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GLADYS KNIGHT & THE PIPS Standing Ovation Soul/ユニバーサル(1971)

クレイ・マクマレイとジョニー・ブリストルが制作した、前作『If I Were Your Woman』の続編的なアルバム。多くがジェイムズ・テイラーやサイモン&ガーファンクルなどポップ/ロック曲のカヴァーだが、ヒットした“Make Me The Woman That You Go Home To”も含め、ハスキーで情熱的なグラディスの歌声がピップスのコーラスと一体となってソウルを生む。ピップスも主役で歌う。 *林

 

THE CRUSADERS Hollywood MoWest/ユニバーサル(1972)

モータウンが配給したチサ発のアルバムに続いて傍系のモーウェストから発表した一枚。ステュアート・レヴィンの制作で、ジャズ/フュージョン・コンボとしてのグルーヴをデヴィッドT・ウォーカーやチャック・レイニーらの手を借りて磨き上げた内容だ。ウィルトン・フェルダーとウェイン・ヘンダーソンによる緩やかなホーンの音色も含めて、西海岸らしい空気が流れる。 *林

 

ODYSSEY Odyssey MoWest/ユニバーサル(1972)

男女3人組のディスコ・グループではなく、黒人白人混成のジャンル横断系バンド。唯一のアルバムとなるこれは、サザン・ロックやカントリー、フォークなどをミックスしてソウルに接近した、モーウェストの雑食性を象徴するような内容だ。グルーヴィーなアップ“Battened Ships”とデヴィッドT・ウォーカーのギターが優しげに響く“Our Lives Are Shaped By What We Love”が秀逸。 *林

 

THE SUPREMES The Supremes Produced And Arranged By Jimmy Webb Motown/ユニバーサル(1972)

ジーン・テレルがリード・シンガーを務めた時代の一枚。表題通り名匠ジミー・ウェッブが(1曲を除いて)制作&アレンジしたアコースティック路線の異色作で、バラードを中心にポップなソウルを聴かせる内容は、彼が手掛けたテルマ・ヒューストンのダンヒル原盤作『Sunshower』(69年)の姉妹編的な趣。“Once In The Morning”ではウェッブがテレルとデュエットしている。 *林

 

THE COMMODORES Caught In The Act Motown/ユニバーサル(1975)

まだバラードのイメージがなく、ファンク・バンドとして突っ走っていた初期のアルバム(2作目)。前作で披露した“The Bump”を再録ヴァージョンで収め、前半ではそのイメージに沿ったグリッティーなファンクを連発する。ヒットした“Slippery When Wet”はバーケイズにも迫る勢いだ。とはいえ、ライオネル・リッチーが書いたドリーミーなスロウ“This Is Your Life”も存在感十分。 *林

 

YVONNE FAIR The Bitch Is Black Motown/ユニバーサル(1975)

ジェイムス・ブラウン・レヴュー出身のファンキー・ディーヴァがモータウンに残した唯一のアルバム。ノーマン・ホイットフィールドの制作で、マーヴィン・ゲイが声を交える“Funky Music Sho Nuff Turns Me On”やルーファスのカヴァー“Tell Me Something Good”など、ミリー・ジャクソンに通じるビッチな振る舞いでファンクを歌い倒す。70年に傍系ソウルで出していたバラードも収録。 *林