INTERVIEW

ミシェル・カミロ『エッセンス』 思いがけないことがすべて生きてくるのが、ビッグ・バンドのおもしろいところさ!

Photos by: Frankie Celenza

思いがけないことがすべて生きてくるのがビッグ・バンドの面白いところさ!

 ドミニカ共和国出身で長らくニューヨークのジャズ~ラテン・シーンで活躍するピアニスト、ミシェル・カミロの25枚目となる最新アルバム『エッセンス』は総勢18名からなるビッグ・バンドでの録音となっている。ビッグ・バンドでのアルバムは『ワン・モア・ワンス』(1994年)と、そのライヴ・ヴァージョンである『カリベ』(2009年)があり、これが3作目(実質2作目)となる。

MICHEL CAMILO Essence ソニー(2019)

 カウント・ベイシーやデューク・エリントン、ディジー・ガレスピー、サド・メル・オーケストラ、マチート、モンゴ・サンタマリア、イラケレ、さらに彼自身がニューヨークに出てきてすぐに教えを受けたというドン・セベスキー、あるいはボブ・ミンツァー、ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンドのサウンドやアレンジに影響を受けたというカミロだが、それを自分の音楽にどのように取り入れているのだろうか。

 「ビッグ・バンドのために曲を書くということは、メロディを書くだけじゃなくて、メロディを探求し、さらにその先に行かなくてはならない。それによって様々なセクションのメロディ、和声、リズムを書くことができる。そうやっていつもとは違う形で曲を構築していくんだ。ソリストが演奏しているとき、例えばトロンボーンのソロ演奏のとき、どこかのタイミングで、サックスとかトランペットがそれを補う音も書く必要がある。それがビッグ・バンドの面白いところだ」

 では、トリオやデュオとビッグ・バンドとで、違いはあるのだろうか。

 「ピアノの前に座るとき、僕の頭の中ではオーケストラのさまざまな質感が聞こえている。僕のピアノ奏法は、オーケストラに非常に共通するものがあるんだ。ピアノを弾いているとき、鍵盤だけを考えているわけではなく、さまざまな色合いや音色が頭にある。僕にとってビッグ・バンドはトリオの拡張形なんだ。ほとんどの作品は、基本単位としてのトリオのために作曲してきたが、このアルバムでは、ピアノの前に座るたびにいつも、吹奏楽器ではどんな音になるのか、ラージ・アンサンブルだったらどんな音になるのかとこれまで思い描いてきたことを、具現化している。だからこのアルバムはとても特別なんだ。今回、ホーン・セクションには非常に厳しい要求をした。すべてが調和し正確であることを求めた。それが僕の音楽には欠かせない」

 超絶技巧で知られるカミロだが、ビッグ・バンドでは、よりアンサンブルを重視しているように感じられる。そして、その先で輝くピアノが、なんとも魅力的なのだ。

 


LIVE INFORMATION

ミシェル・カミロ・トリオ・ラティーノ with リッキー・ロドリゲス & エリエル・ラソ
○4/26(金)
[1st]17:30開場/18:30開演 [2nd]20:20開場/21:00開演
○4/27(土)4/28(日)4/29(月)
[1st]16:00開場/17:00開演 [2nd]19:00開場/20:00開演
ミシェル・カミロ(p)リッキー・ロドリゲス(b)エリエル・ラソ(perc)www.bluenote.co.jp/

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