幸せの連鎖が生まれるグループ

――その後は迷ったり悩むことはほぼなくなった感じなんですか?

「ないですね。迷う時間もないっていうか。たしかに入った当初ガーッと物事が進んでて時間もなかったんですけど、いまは余裕もありつつ充実した日々を送れてるから、あんまりガッとスイッチが入ることはなくて。ホントに素敵な作品をたくさんいただいてるぶん反響も大きくて、だからもっとがんばろうって思えるのは大きいなって思います。手応えって大事ですね」

――大事だと思います。ボクもそれがあるからやっていけてます。

「一緒だ! だから、いまは迷わないです」

――あと個人的にずっと疑問だったのが、なんでRYUTistはこの平和な空気が保てているのかってことで。運営の安部(博明)さんとかはヤンチャな空気があるじゃないですか。配信とか観ててもあきらかに言葉遣いが悪いし。

「ハハハハハハ! そうですね、かなり危険な匂いがしてますけど」

――それなのに、グループとしてはものすごい平和な空気感で。

「そうですね、やっぱりメンバーが大きいかなって思います。たしかに危険そうな人はいるけど(笑)。でも、メンバーは絶対にいい子だから、そもそものメンバーの性格もあると思うし、すごい危険な人がいるなかで……」

――あんまり危険危険言うのもアレですけど(笑)。

「ちょっと口調が悪い人がいるおかげでよく見えるのかなって」

――なるほど! 横に口が悪い人がいると(笑)。

「メンバーの取り巻く雰囲気が平和だなって思います。きっとひとりが平和で、そこで私がイライラしてたとしても、その平和な人と触れた瞬間に自分も気持ちが平和になるっていう、いい循環みたいなのがこの4人のなかで出来てるのかな。

みんなもきっと悩んでることはあると思うし、それでもギクシャクせずにあの平和な感じを保っていられるのは、平和の連鎖みたいなのが続いてるのかなと思いますね。自分はRYUTistに入らないほうがよかったのかなって悩んでた時期も、悩むのはひとりでいるときだけで、メンバーといるときはそんなこと考えなかったんですよ。メンバーといて楽しいなってホントに思ってたし。だから、いい子たちが3人いたら平和な空気が生まれるみたいな」

――横山さんもそっちに引っ張られるぐらいに。

「はい、たぶん。そういう幸せの連鎖みたいな感じで3人が生む渦みたいなのがあるのかなと思います」

 

ハコイリ♡ムスメが横山実郁に与えた影響は〈うるさい顔〉?

――それから、RYUTistはものすごくマイペースなアイドル活動をしてるグループだと思うんですけど、そういう人がハコイリ♡ムスメみたいな正統派アイドル・グループと柳♡箱としてガッツリ絡んでみて、どういう思いを抱きました?

「ホントにアイドルさんだなって。めちゃめちゃかわいいし、ハコムスさんに影響を受けたことってたくさんあって。RYUTistは踊りの向きを揃えるとか角度を揃えるとか、カウントを乱さずみたいなのを意識して練習してきたんですけど、ハコムスさんのライヴを観て、感情が伝わってくるなと思って。女優さん志望っていうことで、曲に対する気持ちの入れ方とかすごく上手だし、ライヴを観てて、〈ダンスすごいな〉とかよりも〈楽しいライヴだったな〉とか、〈この曲のこの子の表情よかったな〉って思うようなライヴをされるんです。

それに影響を受けて、もっと自分たちの気持ちを前に出して何かしたり、曲をいただいたときに詞を見てみんなで話し合って、ひとりひとりの曲のイメージを統一させて歌ったりするようになって。だからハコムスさんと一緒にやらせていただいたことは、それこそRYUTistにまた新しい風を吹き込むようなことだったなと思うし、何よりお友達が出来てうれしかったです」

柳♡箱の2018年のシングル“ともだち”
 

――表情も意識するようになったんですか?

「なりましたね。すごく深いところまで考えるようになったんですよ。この曲の主人公は何歳ぐらいの女の子で、きっといまこういうことを考えてて、みたいなのをメンバーで話し合って。ライヴで写真を撮ってくださる方もきっといらっしゃるので、ちゃんとそういう曲への想いが伝わるように表情も意識するようになったし、歌い方も曲によって変えるのはそうなんですけど、どうしたらより感情が伝わるかとか。私の声って歌うと元気なキャピキャピした声なので、悲しい曲とか切ない曲になったときにどうやったらうまく切ないふうに聴こえる声を出せるか研究したり。そういういいきっかけになったと思います」

――表情を意識するようになった結果なんですかね、南波さんが〈顔がうるさい〉って言い出したのは(笑)。

「ひどいですよね(笑)。顔がうるさいってホントにひどい! もともと濃い顔してるんですよ、眉毛も太くて。それでもっと表情を意識しようと思ったら、たぶん顔がうるさいことになってしまったんだとは思いますけど(笑)。そうなったきっかけではあるかもしれない」

――あのレベルのかわいい子たち(ハコムス)と一緒に仕事すると、劣等感とかは生まれないですか?

「生まれないです。劣等感よりもドキドキしちゃって、〈かわいい!〉って。職権濫用じゃないですけど、いちファンになっちゃったらもうドキドキしっぱなしで。ハコムスさんもハコムスさんで、〈あー実郁ちゃーん!〉みたいな感じで抱きついてきたりするんですよ! 〈……おぉ!〉みたいな、幸せな気持ちになりますね。劣等感とかはまったくないです」

――マイナスな感情は一切出ない、ただの幸福感(笑)。

「早く会いたいなって思います。ファンの方には申し訳ないなってホントに思いますね。幸せにあふれてます」

柳♡箱のライヴ映像

 

メンバーはもう絶対に減らさない、私が止めます!

――目の前のことを着実にこなすタイプなんだとは思いますけど、この先、何かしたいことはありますか?

「RYUTistとして絶対にもっと大きくなりたいです。どこに立ちたいとか具体的なものはないんですけど、もっとたくさんの人にRYUTistを知ってもらうのはもちろん、その都度ちゃんと自分たちが立つステージを上げていきたいなって思うのと、大きくなることばっかりを考えないで、ちゃんと応援してくださるみなさんのことも考えていきたいなって思いますし、ずっと続けていきたいですね、できるところまで。素敵な曲をいつもいただいてるので、いままでいただいた曲を大切に歌うのもそうですし、辞めることなくいまのメンバーでずっと続けていきたいなって思います」

――もうメンバーが減らないように。

「はい、絶対に減らさないです。私が止めます! このメンバーで続けていきたいなって思います」

――その決意はハッキリしてるわけですね。

「はい! 最年少としてがんばっていきたいと思います。気合いだけはあるので、空回りしないように」

――以上です! 今日はしゃべれました?

「はい。ソロのときのこととかぜんぜん話す機会がなくて。やっぱりそのときのファンの方の気持ちを考えるとっていうのもあって、私自身あんまりしちゃいけないんだろうなと思ってたんですけど、ちゃんと話せてうれしいです」

――1回だけソロ時代に一緒に写真を撮ったとき、ものすごいちっちゃかった印象があるんですよ。

「ちっちゃくて細くってヒョロヒョロって感じでしたよね。怖かったですもん、豪さん(笑)」

――さらには杉作(J太郎)さんまでいて、なんでこんな怖そうな大人の間に入って写真撮らなきゃいけないんだっていう(笑)。

「ちょっとだけ怖かったです。ご挨拶だけで写真まで撮ると思わなかったので、大柄な男性ふたりがズンッて(笑)。でも、いまは怖くないです。ぜんぜん大丈夫です!」