フュージョン界の超豪華メンバーとともに創り上げた独創的エスニック・フュージョン

 2016年のインディーズにおけるアルバム・デビューから2年。その間に3枚のオリジナル・アルバムとリメイク+新曲からなるベスト・アルバム、そして5作目として発表したスタンダードジャズ・バラード集『Dawning Blue』がアマゾンの日本のジャズ部門1位を59日間マーク。キュートなルックスとは裏腹に本格派テナー奏者としてジャズ・フュージョン界に旋風を巻き起こした米澤美玖が通算6作目となる『Exotic Gravity』で、ついにメジャー・デビュー。

米澤美玖 Exotic Gravity キング(2019)

 「エスニック・フュージョンとは、カフェで思いついた造語です。ジョン・コルトレーンもアフリカン・テイストのジャズをやっていましたが、わたしの場合特定の土着の音楽にスポットを当てるような採り入れ方ではなく、いろんな場所の音楽を混ぜた異国情緒と申しましょうか、スペイン、フランス、イタリアなどの南ヨーロッパ、北アフリカ、そして中東といった地中海沿岸と言えるかも…。メロディの中にどこかしら漂う多国籍な雰囲気を楽しんでもらえれば嬉しいです。アルバム・ジャケットもイエローを基調に植物も入れてエスニックに仕上げていただきました。中写真にはヘビも写ってます。爬虫類大好きなんです(笑)」

 今作はオリジナル曲が中心であるが、超絶技巧曲《熊蜂の飛行》、ワールドミュージック界で人気の高い《リベルタンゴ》などの名曲カヴァーも収録。

 「これまでのアルバムにもエスニックな曲は必ず何曲か入ってましたが、それを強調するのは初めてのことですね。今作もその延長にあり、1曲目とラスト曲で都会的フュージョンをやりつつ中間部ではわがままにいろんなことをやらせてもらっています。その中で有名曲のカヴァーもやろうということになってこの2曲に挑戦したというわけです。どちらもアレンジが無茶苦茶難しくてカッコいいんです。2段重ねのコード指定なんてジョー・ザヴィヌルやチック・コリアみたいなんですよ」

 成長著しい彼女の吹くテナーは、表情が格段に豊かになった。また、レコーディング・メンバーの演奏も超絶極まりない。各楽器、プレイヤー目線のファンの方々には是非コピーにチャレンジしてみてほしい。

 「いろんな吹き方をしてますよ。その中でタンギング、ビブラート、アタックの出し方とかちょっとしたニュアンスを切り替えたり、音域もかなり広く出していますし、コピーしようとしても一筋縄ではいかないですよ(笑)。また、メロディではなくシークエンス・パターンも吹いてみたり、遊び心を忘れずにひたすら挑戦です。エスニックという言葉に惑わされず、イメージを限定しないで自由に聴いてくださいね」

 


LIVE INFORMATION

Exotic Garavity Tour I
○4/27(土)大阪・Take Five
○4/28(日)神戸・Studio KIKI
○4/29(月)京都・Bonds Rosary
○4/30(火)名古屋・Doxy

Birthday & Exotic Gravity Release Live!!
○5/4(土)東京・JZ brat

Exotic Garavity Tour II
○5/31(金)名古屋・STAR EYES
○6/2(日)大阪梅田・Always
○6/4(火)広島・Jazz Club Bird
○6/5(水)岡山・MO:GRA
○6/6(木)京都・Bonds Rosary
○6/7(金)草津・COLTRANE
○6/8(土)神戸・STUDIO KIKI
○6/13(木)銀座・Swing
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