元テイム・インパラのニック・オールブルックが率い、一時はケヴィン・パーカーも在籍していたオーストラリアのサイケ・バンドによる2年ぶりの新作。レッド・ツェッペリン由来のハードな轟音は鳴りを潜め、前作でのポップ路線をさらに邁進。プリンスへの愛が止まらない“Sixteen Days”、ネオ・ソウルなムードを纏った“Selene”を筆頭に、メロウなグルーヴと彼らの代名詞である曼陀羅模様のカラフルなエフェクトとの融合が心地良い。言うなれば、イイ塩梅にブラック・フィーリングを備えたフレーミング・リップスといった感じか。オージーらしい大らかさと引き換えに洒脱さを手に入れ、期せずしてSuchmosとも共鳴。アルバム・デビュー10周年目にして、ようやく大ブレイクの準備が整ったようだ。