オニキスの如き漆黒の彫像へとみずからを変貌させたゲサフェルスタインのセカンド・アルバムが、前作から5年以上の歳月をかけて完成。カニエ・ウエスト『Yeezus』を経由して発表されたデビュー・アルバムの硬質なインダストリアル・テクノから離れ、今回はゲストを交えた沈み込む重いトーンが基調。80sポップを黒く煮詰めたファレルとの“Blast Off”、ハッカーとエレクトリック・ユースとのダークなドリーム・ポップ“Forever”、そしてウィークエンドとの陰鬱ポップ“Lost In The Fire”がハイライトか。しかしこれらの楽曲に惹かれる一方で、映画のワンシーンをイメージさせるレトロ・フューチャーなシンセ曲“Memora”、不穏で危ういヒップホップ“Reset”といったインストも印象深い。