いきなりシュニトケが登場するので、何やら難しそうな空気が漂いそうだが、実際はその逆。明確なメロディーラインと古典的な構築性でしっかりと聴かせてくる“古風な組曲”から始まるこのアルバムは、近〜現代のヴァイオリンとピアノのための曲を集めながら、その実バロック〜古典の音楽へのオマージュをはっきりと聞き取ることができる。だが、書かれた時代は近現代。どこか自然でない人工的な美しさと響きを有し、かつ聴き易いという、時代を経た作曲家ならではの音作りを楽しめる。ガッツァーナ姉妹による息の合った演奏が曲の美しさを引き立てているのも特筆すべき点かと。