COLUMN

〈小曽根真&スコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラ〉 大人も子供も楽しめる、ビッグバンドで聴く「動物の謝肉祭」と「ピーターと狼」

〈小曽根真&スコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラ〉 大人も子供も楽しめる、ビッグバンドで聴く「動物の謝肉祭」と「ピーターと狼」

大人も子供も楽しめる、ビッグバンドで聴く《動物の謝肉祭》と《ピーターと狼》!

 小曽根真が豪華なゲスト・ミュージシャンと共に東京都交響楽団と共演する“Jazz meets Classic”――毎年人気のこの企画だが今年は少し変化球でおおくりする。ゲストに迎えるのは若き日の小曽根が、ヴィブラフォン奏者ゲイリー・バートンのもとで共に研鑽を積んだトロンボーン奏者トミー・スミス。そして管弦楽ではなくスミスの率いるスコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラも加わり、小曽根編曲のサン=サーンス《動物の謝肉祭》と、スミス編曲のプロコフィエフ《ピーターと狼》を聴かせる。

 スコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラと小曽根との繋がりは2012年のアレンジ提供にさかのぼる。2014年4月にはモーツァルトのピアノ協奏曲第9番《ジュノム》を大胆に編み直してライヴ録音し、話題となった。今回の曲目もこの流れに位置している。《動物の謝肉祭》も《ピーターと狼》も、子ども向けの演目というイメージが強いかも知れないが、小曽根とスミスの手にかかれば、全く異なる側面がみえてくるから面白い(スミス編の《ピーターと狼》は既にCDも発売されているのでご興味ある方は是非チェックしていただきたい!)。アヒルを表現する楽器が原曲ではオーボエだが、スミス編ではミュート付きトランペットになったり、狼をあらわすホルンがトロンボーンになったりと、違和感のないジャズ・アレンジには驚かされるばかり。その後も、プロコフィエフらしさを残しつつ、最新のジャズとしても違和感なく聴ける、ストレートに格好良いサウンドに仕上がっているのがあまりに見事。むしろ普段はジャズを聴かないという人にこそお薦めの内容となっている。長いアドリブが延々続くことなく、物語を伝えるナレーションと共に音楽を聴けるため、老若男女たのしめるはずだ。しかも、ナレーターを務めるのは日本を代表する名優、橋爪功。小曽根と交友の深い橋爪が童話《ピーターと狼》にどれだけの奥行きを与えてくれるのか、これは期待して良いだろう。

 一方の《動物の謝肉祭》は、いたずら好きを自称する小曽根の遊び心が詰まったものに仕上がっている。何も知らない人が聴けば違和感なくジャズに聴こえるにもかかわらず、原曲を知っている人にとっては思わず声を出して笑いだしてしまうような意外性のあるアレンジが施されているのだという。ここ15年以上にわたってクラシックの演奏に情熱を注いできた小曽根にとって、ひとつの集大成ともいえる編曲だけに、聴き逃したくないところ。クラシックと真剣に向き合うことで、音楽家として独自の存在感は増すばかり。小曽根の今後に、ますます目が離せない。

 


LIVE INFORMATION

小曽根真&スコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラ“Jazz meets Classic”

○5/18(土)16:20 開場/17:00 開演 会場:東京文化会館 大ホール 
○5/19(日)14:20 開場/15:00 開演 会場:オリンパスホール八王子
【出演】小曽根真(p)/スコティッシュ・ナショナル・ジャズ・オーケストラ/橋爪功(ナレーション)
【曲目】サン=サーンス:動物の謝肉祭(小曽根真編曲) /プロコフィエフ:ピーターと狼 op.67(トミー・スミス編曲/ナレーション付き)
www.t-bunka.jp/stage/1098/

pagetop