時代を超えて生き続けるオージェイズの存在感

 キャストのアナ・ケンドリックらが「トロールズ みんなのハッピーホリデー!」で歌うなど、CMや映画などでたびたび使用されているポピュラー・ヒット“Love Train”がある一方、80年代から近年のドレイクに至るまでがネタ使いし続けている“Back Stabbers”や“For The Love Of Money”のようなラッパー御用達のストリート・ソウルもある。さらには2パックやマスターPに愛された“Brandy”のようなスウィート系のナンバーや、ガラージ/ロフト・クラシックのディスコ・チューンも数多い。そうした評価の振り幅はそのままオージェイズの存在が普遍的な常識として浸透していることの表れだろう。

 例を挙げればキリがないが、昨冬にGAPのCMソングでリオン・ブリッジズが披露していた“Now That We Found Love”は、NJS時代にヘヴィD &ザ・ボーイズのリメイクが大ヒットして日本のダンス・ブームにも影響を及ぼした一曲だし、“I Swear, I Love No One But You”がニーヨとメアリーJ・ブライジに同時期に引用されたこともあった。リサイクルではないが、ビヨンセ主演映画「ファイティング・テンプテーションズ」のサントラにて主役やアンジー・ストーンの共演も含めてオージェイズから3曲に登場していたことを思い出せば、彼らの存在が彼の地のカルチャーにおいていかに重要なのかも察することができるはずだ。 *出嶌孝次