4ADから発表された2作目で大きな話題を集めたニュージーランド出身のシンガー・ソングライターが早くも新作を上梓。パフューム・ジーニアスも参加した前作と同じく、プロデュースはPJハーヴェイやスパークルホース諸作も手掛けるジョン・パリッシュが担当。〈ゴシック・フォーク〉とも称される、その幻想的/神秘的な世界観にはより鮮やかな彩色が施され、滋味深い低音からキッチュな歌声まで、多彩な音域と表情を使い分けるヴォーカルには円熟味すらも感じる。派手さこそないが、作品の隅々に迸る才気には、ジョニ・ミッチェルからケイト・ブッシュ、そしてパティ・スミスやセイント・ヴィンセントまで、数多くの御大たちの名を引き合いに出したくなるのも納得。次こそ初来日実現を願う。