INTERVIEW

ブルースの原点はワイドショー? 吾妻光良 & The Swinging Boppersに訊く、バンドを40年楽しむ方法

吾妻光良 & The Swinging Boppers『Scheduled by the Budget』

(左から)牧裕、吾妻光良、渡辺康蔵
 

日本の、いや世界のブルース界における至宝といえよう、ギタリストの吾妻光良率いるジャンプ・ブルース/ジャイヴのビッグ・バンド、吾妻光良 & The Swinging Boppers。早稲田大学の同級生を中心に、卒業記念の思い出づくりとして結成されたバンドは、それぞれに仕事を持ちながらもマイペースに活動を続け、今年なんと結成40周年を迎えた。そして、5月22日に、通算8作目・5年8か月ぶりとなるオリジナル・アルバム『Scheduled by the Budget』をリリースした。

12人編成からなる大所帯バンドから、今回はバンマスの吾妻に加えて、ベースの牧裕、アルト・サックスの渡辺康蔵に登場いただき、新作について(大いに脱線しながら)たっぷり語ってもらった。

吾妻光良 & The Swinging Boppers Scheduled by the Budget Sony Music Associated Records(SMAR)(2019)

まさか60代の人間がこんなに子供とは思わなかったね(吾妻)

――結成40周年の記念すべき年に、アルバム『Scheduled by the Budget』が完成しました。今作も、本当に楽しく聴かせていただきました!

吾妻光良(ギター/ヴォーカル)「いえいえ。よかった」

――前作からの5年8か月は、バンドにとってどんな時間だったんでしょう?

吾妻「なんでしょうねぇ。一番大きな出来事は……あ、還暦超えたか? メンバー12人いるうち、2名以外は全員還暦迎えてますね」

牧裕(ベース)「前のアルバムを作った当時は、まだ50代だったから」

吾妻「うら若き50代!」

渡辺康蔵(アルト・サックス)「だって、以前作った“昔だったら定年だ”って曲は(2013年作『Senior Bacchanals』に収録)、バンドの平均年齢が55歳の頃に出来たものだけど、あれからもだいぶ経ったもんね」

――やっぱり還暦を超えると、いままでと違うものなんですか?

吾妻「一緒ですね(笑)。でもね、まさか60代の人間がこんなに子供とは思わなかったね。それこそ〈学校出たのかな〉って感じで、何も知らないですから。ビットコインだなんだって言われても、わかんねぇもんな」

※バッパーズの2006年作『Seven & Bi-decade』に同名の曲が収録

「話してる内容も、学生の頃と変わらないもんな」

吾妻「恐ろしい! 永遠のモラトリアム(笑)。当時からいるメンバーはほとんどそうだと思うけど、バンドを結成した夜の池袋・清龍(居酒屋)の景色はみんな鮮明に思い出せますね」

渡辺「うんうん」

吾妻「俺たちが呑んでたら、隣に座ってたおやじ2人がケンカしだして。〈お前、俺のつまみ食っただろ!〉って殴り合いはじめて、血だらけになってたんだよな(笑)。あれはすごかったな~」

渡辺「昨日のことのように思い出せるね」

――僕がバッパーズを初めて知ったのは25、6年前で、その頃はみなさん30代半ばぐらいだったと思うんです。だけど、その当時ですでに、おやじの悲哀が漂う歌を歌っていて、すでに枯れまくったイメージが出てたのは、いま考えるとすごいなって。

吾妻「それはね、もともと僕らが生まれる前の音楽をやってるから(笑)。はるか昔に素敵な黒人のみなさんが、ちゃんと作ってくれたのを真似てるだけですから」

「われわれは、その土台の上にちょんと乗っかってるだけなんですよ」

渡辺「でもさ、“歳には勝てないぜ”(91年作『Stompin' & Bouncin'』に収録)って90年ぐらいには演奏してたから、その時点で大分くたびれてるんだよね」

吾妻「だって若い頃のほうが、病気とか薬の話が多かったじゃん。さすがにいまでもまだ、墓の話は出てないけど」

渡辺「わざと言わないようにしてるんじゃない? 怖がりだから」

吾妻「言っちゃうと呼ばれちゃうもんな。ヤバイヤバイ(笑)」

――(笑)。バッパーズってバンドは、やっぱり吾妻さんがリーダーシップを執っていく感じなんですか?

渡辺「そりゃもちろん! ワンマン・バンドだもん」

吾妻「嘘つけ! そんな威張ってないぞ!」

渡辺「〈上から目線バンド〉って言われてますから」

吾妻「おいおい、みんなの意見もすごい聞いてるよ? ただ、ここぞという経営方針を決定する時にはしっかり言うわけだ。最近でいうと、この前の打ち上げの時とかね」

渡辺「この間地方でライヴをやった時、打ち上げ会場として入ったところがちょっとコスト・パフォーマンスが悪くて。みんなは何か料理を注文しようかと思ってたんだけど、吾妻がきっぱりと〈ここは注文しちゃダメだ!〉と。夜の11時ぐらいになってたし、何か食べたいじゃないですか? だけどビールをみんなでちびちび呑んで、しばらく時間を置いて。頃合いを見計らってから〈よし、出るぞ!〉と(笑)」

「そういうのはリーダーシップと言いませんけどね」

渡辺「こんな感じで40年間やってます(笑)」

『Scheduled by the Budget』レコーディング風景の映像

 

YouTubeで観たのよ。ラップのバトル合戦みたいなの(渡辺)

――ついつい話が脱線しがちですが(笑)、アルバムの話に軌道修正して……オープニングを飾る“ご機嫌目盛”は、リード曲としてミュージック・ビデオも作られました。この曲は、ライヴでの定番曲でもある“最後まで楽しもう”(『Seven & Bi-decade』に収録)と姉妹曲のような印象を受けました。

吾妻「それはものすごく意識しましたね。向こうのブルースマンって、二番煎じやる人いっぱいいるじゃないですか? エイモス・ミルバーンは酒の歌しか歌わないとかさ。一度ウケたら、何度でも似たような曲を作る」

“ご機嫌目盛”MV。YouTube Premium限定のフル・ヴァージョンはこちら
 

『Scheduled by the Budget』に収録された“最後まで楽しもう”のライヴテイク。ちなみに同曲は、星野源が〈吾妻は数人いる大好きなギタリストのひとり〉というコメントと共にラジオでかけていたりも
 

――“最後まで楽しもう”で初めて挑戦したラップ・パートも、“ご機嫌目盛”にはしっかり入ってます。

吾妻「それがちょっと進化してるんだよね」

渡辺「俺と吾妻でバトルしてますから」

――まさかのラップ・バトル!

渡辺「俺、あれからYouTubeで観たのよ。バトル合戦みたいなの。そこで即興ラップやってる人って、あんまり音楽的にはなってないんだね」

※テレビ朝日の番組「フリースタイルダンジョン」

吾妻「いや、なってるやつもいるんだよ。われわれはさすがにアドリブではできないですからね」

渡辺「あと観てて気づいたけど、バトルでよく使われる言葉を吾妻も歌詞に使ってるのね。〈フロウ〉とかさ」

吾妻「そうそう。〈ライム〉とか。何言ってんだっつうの」

――そこらへんは、ちゃんと意識されてるんですね(笑)。ラップ・バトルを取り入れようと思ったきっかけは?

吾妻「今年も出るけど、以前〈大宴会in南会津〉というフェスで、鎮座DOPENESSさん、環ROYさん、U-zhaanさんと一緒になったことがあって。その打ち上げで3人が(フリースタイル・)ラップをはじめたんですけど、これは俺もできるんじゃねぇか?と思って入っていったら無茶苦茶になっちゃって(笑)。でも、おもしろかったね」

「そこもまたエラそうに入っていったんだよな」

吾妻「エラそうにって(笑)。まぁ、たしかに〈威張り目盛〉8ぐらいいってたかもな」

――そんな貴重な場面があったんですね!

渡辺「ちなみに彼ら、今年も出るの?」

吾妻「出る出る。だから今年はお前もバトルに加わるんだよ。俺も行くから、5人でバトルしよう!」

渡辺「わかった(笑)」

吾妻「しかし、あの時の俺のラップはデタラメだったもんな。〈俺、血圧高い! 薬効いてるから大丈夫!〉とかさ(笑)」

「あまりにひどいから、俺はもう知り合いじゃないってオーラを出して、ずっと横向いて呑んでたもん(笑)」

“ご機嫌目盛”のポーズで

 

ブルースの原点はワイドショーだと、俺は思ってますけどね(吾妻)

――続く“大人はワイン2本まで”は、このタイトルをそのまま酒場に標語として張り出したいぐらい名曲ですね。

吾妻「この曲の特筆すべきところは、作詞に〈伊藤正純〉という謎のクレジットが加わっていること。これは、学生時代からの友人でね。〈大人はワイン2本まで〉というフレーズは、彼が言った言葉なんですよ」

――そうだったんですか!

吾妻「以前、俺がデロンデロンに酔ってブルース酒場に入っていったら、〈吾妻さん、大人はワイン2本まで〉って言われて。それを年賀状にも書いて寄こしてきたんだよね。その言葉に感銘を受けて、あっという間に曲が出来た」

――そんなふうに友達の一言とか、メンバー同士の会話から曲が生まれることって多いんですか?

吾妻「ふと出てきたフレーズからタイトルが思いついて。そこから曲を作っていくことも多いですね。だって、何か熱い想いがあるとか、伝えたいことがあるから作るわけでもないし、天から降りてくるってほどカッコよくもないしね」

――“大人はワイン2本まで”もそうですが、今回収録された曲は、ここ数年のライヴで演奏してきた曲が多いですよね。

吾妻「そうですね。ただ、ライヴでやってたけど、あまりにも歌詞が酷いんでライヴでもやらなくなっちゃった曲もありますね(笑)。だけど、それも入れないと曲が足らないからさ。歌詞を練り直して、無事に入れられることになりました」

「練り直すしかなかったっていうね」

吾妻「たとえば“やっぱ見た目だろ”なんかは、ワイドショーを賑わせた人たちをテーマに作った曲で。最後のほうの歌詞にあるけど、〈ひげに長髪、サングラス〉と〈かっぽう着〉といえば、だいたいわかりますよね?」

――あー、なるほど!

吾妻「本当は全編それについて触れた歌詞だったんけど、さすがにマズイってことになって。こういう曲を作ったものの、当事者の人たちが可哀想になってきちゃって、ライヴでも歌わなくなってたんだよね」

「わりと具体的な歌詞だったもんね」

吾妻「だけど今回、歌詞を新たに書いて生まれ変わったのでよかったなと」

――ワイドショーを観ながらツッコミ入れたり文句言ったりすることから、曲が生まれることもある?

吾妻「そういうことも多いですね。ワイドショー観るのは好きですから」

――“正しいけどつまらない”も、歌詞の最後のほうは風刺的な色合いも強かったりしますね。

吾妻「まぁ、所詮は遠吠えって感じがしますけどね(笑)。バシッて言えればカッコいいんだろうけど」

渡辺「相当な遠吠えだよね」

「しかも、誰も聞いてねぇしな」

吾妻「まぁこの曲も、結局はワイドショーですよね。ブルースの原点はワイドショーだと、俺は思ってますけどね。昔のカリプソの曲だって、間違いなくワイドショーだから。世間で起こった事件とか、しょうもない話題とかを歌ってるのが多い」

――昔でいう瓦版や新聞詠みに近いというか。その時代の世相を切り取ってる感覚はありますよね。

吾妻「そうそう。昔のブルースの人たちだって、当時の最先端のことを歌ってる。だいたい芸名からして〈Hボム・ファーガソン〉とかね。Hボムっていうのは、つまり水爆のこと。〈お前は声が水爆みてぇにすげぇから、今日からHボム・ファーガソンだ!〉と言われて〈旦那、やめてくだせぇ〉って泣きながら断ったけど、結局その芸名になっちゃったっていう(笑)。あとは、TVの修理をやってたから〈TVスリム〉って芸名になった人もいますからね。当時はそれが最先端だったんでしょう」

――吾妻さんがブルースからそういう側面を感じ取ってきたからこそ、いまのバッパーズのような歌詞が生まれてきたんじゃないかと、勝手に感じてるんですが。

吾妻「それは〈NO MUSIC, NO LIFE〉のポスターにも書いたことだけど、人間の考えることなんて、70年80年経っても、地球の裏も表も大して変わってないんですよね。それは、私が昔の音楽を聴くうえで、大好きなところですよね」

〈NO MUSIC, NO LIFE〉ポスター。メイキング映像はこちら
 

――なるほど~。

吾妻「あれ、いま威張ってた? 〈威張り目盛〉いくつぐらいになってた?」

「10がフルだとして、6ぐらいかな」

吾妻「そんなに? いやはや、気をつけます」

――(笑)。世相を切り取る歌として最高なのが“Photo爺ィ”。個人的にはこの曲を聴いて、年配の方だけじゃなく、いまや〈一億総Photo爺ィ〉なんじゃないかと感じました。

吾妻「あっはっは」

渡辺「この曲は、多くの人を敵に回すことになってヤバいんじゃないか?と、リリース直前になって気がついたんだけどね」

吾妻「すでに時遅し。なんならいっそ“インスタ姉ちゃん”とかにしたほうがよかったかな?」

「お前、それはピンポイントすぎるだろう(笑)。“Photo爺ィ”なんて歌詞はそうですけど、実際に一生懸命になって写真撮ってる人は、自分がどれだけ他人に迷惑かけてるかなんて、思ってもないんじゃないかね」

渡辺「吾妻も牧も、あんまり写真撮らないよね。俺はよく撮っちゃうから〈Photo爺ィ〉だな(笑)」

吾妻「写真といえば、われわれの懸案が若干ありましてですね。バンドのホームページは俺が運営してるんだけれども、その写真を誰も撮ってくれないっていう。どうすりゃいいんだって、小さいカメラを買ってその辺に置いといてライヴを撮るんだけど、ひどい写真しか撮れないんだよな」

バッパーズのホームページ。年配の人への配慮で文字が大きくしてあり読みやすい

渡辺「だから、いつもライヴ前の呑み会で全員集まった時の写真しかない」

――誰かにライヴも撮ってもらうよう頼めばいいじゃないですか(笑)。

吾妻「東京のライヴでは頼んでるんですよ。だけど、地方のライヴとか小編成の時はお手上げだよな」

「前に一度、ステージの横にカメラを置いて動画を撮ってたら、岡地(曙裕)のバスドラの振動でカメラがくるっと回転してたことがあったな(笑)」

吾妻「振動でゴォーって音を立てながら、画面がだんだん回ってるっていうね(笑)」

渡辺「あとさ、去年の夏に錦糸町で野外ライヴに出た時に、楽屋であんまりにも暑かったからランニング一丁でうろうろしてたら、その写真がホームページに載ってた(笑)。なんでこんな写真アップするんだよ!」

吾妻「だって、演奏中の写真がないんだもん(笑)。あれ、カッコ悪かったなぁ。魚屋の親父みたいな格好で。もちろんメンバーに許可なんて取ってないから、出し放題ですよ(笑)」

 

エゴのよっちゃんも人見元基も、歌い出しを聴いただけで〈失礼しました!〉ってなるよね(吾妻)

――今回のアルバムにはゲスト・ヴォーカルが2名参加されています。一人はEGO-WRAPPIN'の中納良恵さん。EGO-WRAPPIN'は、バッパーズからの影響をかねてから公言してますし、彼らのライヴにバッパーズがゲスト出演されたこともありました。

吾妻「今回カヴァーした“Misty”は、その時に一緒にやった曲で。アレンジの元になったのは、ロイド・プライスっていうR&Bシンガーがやってるライヴ音源を、エゴの森(雅樹)くんが見つけてきて、これがまたよっちゃんの歌に合うんですよね。だから、そのアレンジを完コピしました」

★EGO-WRAPPIN'の最新作『Dream Baby Dream』インタヴュー

――もう一人のゲストは元VOW WOWの人見元基さん。意外な人選という気がしましたが、どういう繋がりがあるんですか?

吾妻「彼は大学の2学年後輩で、大学の時のサークルによく出入りしてて。ハード・ロック歌ってましたね。その当時から、よく呑みに行ってましたよ。あいつはこの歳になっても、まだ呑むんだよね。われわれの倍ぐらいの量を呑むんだから」

――“Try a Little Tenderness”という選曲はどうして?

吾妻「これは人見がやりたいって提案してきた曲なんだよね。〈お前、ウチのバンドで何か歌ってくれよ〉って言ったら、〈(フランク・)シナトラみたいに歌いたい。ガーッとシャウトするのはみんな期待してるから嫌なんだ〉って。でも〈やっぱりシャウトしたほうがいいんじゃない?〉って、うまい感じで誘導していったら、結局シャウトしてくれてね。やったやったーって(笑)。騙して罠にかけちゃったようなもんで」

――中納さんと人見さん、ヴォーカリストとしてそれぞれの魅力は?

吾妻「2人とも振り切れてますよね。よっちゃんは持ち前の声が素晴らしいのはもちろん、リズムもいい。実は結構ジャンプしまくってる。人見はもう、声の説得力がすごい。2人とも歌い出し聴いただけで、〈失礼しました!〉ってなるよね。だから、俺が歌う曲に戻るとがっかりする方も多いかもしれないですけど(笑)。〈とりあえず、いまのは忘れていただいて〉みたいな感じで聴いてもらえれば」

 

笑えてなければできませんよ(牧)

――さて、バッパーズは結成40周年ということですが、ステージ上のメンバーのみなさんを観ていて、関係性とかノリみたいなものは、若い頃からまったく変わってなさそうに感じます。

吾妻「それは変わってないかもしれないね。ライヴ自体も年に数回しかないし、あんまり会う機会もないから、仲が悪くなりようないんですよ。40周年なんて言ってるけど、実際のライヴ活動をギュッとシュリンクしたら、150日ぐらいにしかならないんじゃないかね?」

「そんなに少なくもないでしょ」

渡辺「最近はアルバムのレコーディングで会う機会が増えてたから、ちょっと仲悪くなりそうになったよな(笑)」

――吾妻さんと牧さんは小編成でのライヴも一緒によくやられてるので、会う機会は多いですよね?

吾妻「むちゃくちゃ多い。学生時代からの関係ですけど、こんな高い頻度で会う友人になるとは、当時は予想しなかった」

「まさかこんなことになるとは、って感じだよね」

――以前よりもトリオとかでやるライヴの本数は増えてますよね。

吾妻「還暦超えてから増えましたね。人生は一度だってことで、やれる限りやってるもんな」

「やれる時にやっとかないと、いつできなくなるかわからない(笑)」

渡辺「下手したら、毎週なんかしらライヴやってるんじゃない?」

吾妻「さすがに毎週はやってないよ。だけど、毎週末ゴルフに行く奴とかいるもんな。それに比べたら全然少ないよ」

――ちなみに、バッパーズはこれまでにバンド存続の危機はなかったんですか?

吾妻「一回だけあったね」

渡辺「あったっけ?」

「結成して1、2年の頃だよね」

吾妻「原宿のクロコダイルってライヴハウスのオールナイト・イヴェントに出た時に、もともと遅い時間の出番だったのがさらに押して。夜中の3時ぐらいになってもまだ始まらなくて、〈もうやってらんねぇよ!〉ってみんなが言い出して。それでバンドも終わるかと思ったら、終わらなかったな。明確に覚えてるのは、その1回ぐらいですよ」

「まぁ、これから何があるかわからないけどね」

渡辺「病気とかね」

吾妻「やめなさいって!」

「こんな感じで、ふざけたバンドなんですけど、ごく初期に一度だけ真面目な話をしたことがあって。精神的・体力的・経済的にキツくなるようなことはやめようと。要するにそれぞれの仕事優先で、無理はしない。無理すると、すぐ続かなくなるから。それは最初から決めてました」

――みなさんそれぞれ、別に仕事を持ちながらも長く活動してきたわけですが、バンドが40年間続いた一番の秘訣は?

吾妻「純粋に楽しいってことに尽きますね。楽しくなかったら、とっくに辞めてますから。まぁ、他に趣味がないっていうのもあるんだけど(笑)。これ以上楽しいことは、特にないですけどね。みんなと呑んでて楽しいしね」

「いやぁ、笑えてなければできませんよ」

――音楽の演奏だけを追求するっていうストイックな活動だと?

吾妻「あー、続かないね。楽しくないことはやらないですから。呑めるからやってるようなもんだから。最近、ツアーに行くと1泊5呑みとかしてますし」

――〈1泊5呑み〉?

吾妻「地方のライヴ1公演で何回呑むかって勝負になって」

渡辺「この間の福岡公演でも、向こうでさんざん呑んだ後に、東京帰って来てから羽田でまた呑んじゃって……。〈ご機嫌目盛〉が結構上がっちゃってさ(笑)」

――元気すぎる! 昭和~平成と経て元号も令和になりましたが、これからもまだまだ続けられるぐらい、このバンドには楽しみがある?

吾妻「そうですね。みんなの健康が続けば。一に健康、二に健康。とにかく健康第一」

「と言ってても、このあとすぐに呑み行くんだけどね(笑)」


LIVE INFORMATION

〈吾妻光良 & The Swinging Boppers
「Scheduled by the Budget」リリース記念ワンマンライブ〉

2019年5月25日(土) 東京・渋谷CLUB QUATTRO ※SOLD OUT
ゲスト:人見元基(ex. VOWWOW)
★詳細はこちら

〈吾妻光良 & The Swinging Boppers(選抜メンバー)
New Album「Scheduled by the Budget」リリース記念イベント〉

2019年6月2日(日) タワーレコード渋谷店5F イヴェントスペース
内容:ミニライヴ&サイン会
開演:13:00
参加メンバー:吾妻光良(ヴォーカル/ギター)、牧裕(ベース)、岡地曙裕(パーカッション)、早崎詩生(キーボード)、渡辺康蔵(アルト・サックス)、近尚也(トランペット)
★詳細はコチラ

 


INFORMATION

タワーレコード日本上陸40周年記念サイトにて、吾妻光良 & The Swinging Boppersのコラム記事が掲載中!

「生活とともにある音楽―吾妻光良 & The Swinging Boppersを見て考える〈生き方改革〉」

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