INTERVIEW

ドミニク・ミラー『アブサン』 アコースティックの探求者がECMから第2弾をリリース

写真提供/COT TON CLUB 撮影/山路ゆか

アコースティックの探求者がECMから第2弾をリリース

 1991年からスティングの片腕としてアルバムやツアーで活躍するギタリストのドミニク・ミラー。その一方で、自身のソロ・プロジェクトでは一貫してアコースティック・ギターの追求をしてきている。そのドミニクが2017年にヨーロッパのジャズ名門ECMから第1弾『サイレント・ライト』を発表したのに続いて、このほど第2弾『アブサン』をリリースした。

DOMINIC MILLER Absinthe ECM/ユニバーサル(2019)

 「20世紀初めの偉大な印象派の画家たちへオマージュしたんだ。“光の中にある色彩のコントラストと衝突”がアルバムのコンセプトになっている。彼らの描く絵は、例えば空は必ずしも青だったりしないけれど、10年以上もパリに住んでいるとその自由な発想がよくわかるんだ」

 と話すように、ドミニクは今作で音の持つ色彩感を楽曲で表現しようと試みた。前作『サイレント・ライト』はECMのお膝元ノルウェーだったが、今回はフランスのフォンテーヌが録音場所に選ばれた。

 「僕のリクエストだったかって? いや、プロデューサーのマンフレッド・アイヒャーが決めたんだ。彼が最も恐れるのが予定調和で、逆に最も大切にしていることはその場で沸き上がる新しいアイディアやパフォーマンス。録音場所を変えたのもその一環さ。僕に新たな感覚で臨めるようにしてくれたんだ」

 メンバーは、ブリュッセルを拠点に活動するベースのニコラス・フィッツマン、英国の人気フュージョン・バンドのレベル42のメンバーでも知られるロンドン在住のキーボード奏者マイク・リンダップ、ドミニクとは長い付き合いであるフランスが生んだ名ドラマーのマヌ・カチェ。そこにブエノスアイレス拠点の若手バンンドネオン奏者サンティアゴ・アリアスが加わっているのも大きな特徴だ。

 「2016年にスティングのツアーで同地を訪れたとき、若手有望な地元のミュージシャンたちによる音楽会に招待されてね。みんな素晴らしい演奏だったけれど、サンティアゴはその中にはいなかった。で、話す人、話す人がみんな、実はあそこに座っているやつが一番凄いんだと(笑)。そのあとプレイを聴きに行って、あとは言うまでもないよね(笑)。アルバムでの彼の演奏を聴いてもらえれば納得してもらえるはずだよ」

 今年31歳になるサンティアゴのバンドネオンが得も言われぬ雰囲気を醸し出していて、より深みを増した魅惑のドミニク・ワールドが展開されている!

 「作品名は昔の芸術家達が愛飲していた強いお酒のことだけど、元々は不在(absentia)から来ていて、それで付けたんだ。音楽を聴いてどこかへトリップする感覚をね。僕はお酒は飲まないけれど(笑)」

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