COLUMN

来日も控えるウィズ・カリファが、ブレイクスルー作『Rolling Papers』の続編をフィジカルで投下!

来日も控えるウィズ・カリファが、ブレイクスルー作『Rolling Papers』の続編をフィジカルで投下!

強烈なヴァイブスとスモーキーなフロウでこの10年を席巻してきたラップ・シーンの風雲児! ブレイクスルー作『Rolling Papers』の続編が投下!

 一部の層に話題となった“Say Yeah”(2008年)の衝撃がもう10年以上も前のこと。それは覚えていなくてもいいとして、ミックステープの『Kush & Orange Juice』(2010年)からオフィシャルのメジャー初作『Rolling Papers』(2011年)へと至るウィズ・カリファの鮮烈な勢いをいまも容易に思い返せる人は多いことだろう。当時フレッシュだったSNSを通じて広まった前者は新しい時代の到来を感じさせてくれたし、最終的に全米1位をかっさらうスターゲイト制作の“Black And Yellow”を前振りにした後者はピッツバーグ・ローカルの雄が一気にトップへと駆け上がる様子を体感させてくれた。ちょうどミックステープ経由の勝ち上がり方が明確化された頃という時代との巡り合わせも良かったのだろうが、どうも過去を知らないことが優位性を持って語られたりしているうちに断絶が生まれてしまったシーンにあって、カリファは〈それ以前〉と〈それ以後〉を繋ぎながら双方のリスナーを惹き付けるスタイルを確立して順調に活動を続けている数少ない一人なのだと思う。

 件の『Rolling Papers』でブレイクしてからも、“Work Hard, Play Hard”がヒットした『O.N.I.F.C.』(2012年)、“We Dem Boyz”の勢いに牽引されて全米1位を獲得した『Blacc Hollywood』(2014年)……とアルバムを発表。マルーン5“Payphone”(2012年)やタイ・ダラー・サイン“Oh Nah”(2014年)などの客演ヒットにも貢献した彼をさらに一段上へ押し上げたのは、もちろん映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」の主題歌“See You Again”(2015年)に他ならない。新進のチャーリー・プースと組んだこの感傷的な名曲は映画本編と舞台裏のドラマも相まって世界各国でNo.1ヒットを記録。全米チャートでは通算12週に渡って首位を獲得するモンスター・ヒットになった。

 以降も『Cabin Fever 3』『Laugh Now, Fly Later』などのミックステープでコンスタントに話題を撒きつつ、ファッション方面で注目を集めたり、セレブらしく私生活や収入が話題の的となったりして(2016年にはForbes誌のヒップホップ長者番付ランキングで5位にランクインした)、音楽シーンに止まらない注目を集めてきたカリファだが、このたび日本独自の〈Japan Edition〉としてフィジカル化が実現した『Rolling Papers II』は出世作の続編にして、実に4年ぶりの公式アルバムとなるもの。

WIZ KHALIFA Rolling Papers II: Japan Edition ワーナー(2019)

 今回の〈Japan Edition〉に収録されているのは配信版からチョイスされた12曲(に加えて、スヌープ・ドッグ&ブルーノ・マーズとの2011年ヒット“Young, Wild & Free”もボートラ収録)。スウェイ・リーを迎えたヤング・チョップ製のメロディアスなヒット・チューン“Hopeless Romantic”をはじめ、グッチ・メインとのドープな“Real Rich”、手の合うスヌープ・ドッグを招いた“Penthouse”など豪華ゲストをフィーチャーしたトラックを主軸に、ルーズでラフなカリファの持ち味が存分に味わえる楽曲が揃っている。また、プロブレムと共に(ビギーをオマージュした)ザッピーなファンクでGを洒落込む“Gin And Drugs”、神々しいボーン・サグズン・ハーモニーの5人を招聘した“Reach For The Stars”など、一辺倒にならない振り幅も用意されていて、主役の魅力や志向を知るうえで不足のない一枚じゃないだろうか。

 なお、カリファは9月にAICHI SKY EXPOで行われる〈WIRED MUSIC FESTIVAL '19〉にヘッドライナーとしてエクスクルーシヴ出演することが決まっている。2017年の公演も話題になっただけに、今回のアルバムをチェックしつつ来日を楽しみにしておこう。

ウィズ・カリファのコラボ作を一部紹介。


 

ウィズ・カリファのアルバムを一部紹介。

 

関連盤を紹介。

タワーアカデミー
pagetop