2014年の『Bécs』以来となる7作目のアルバムが英〈タッチ〉より到着。今回は訳あって自宅のベッドルームでの作業を余儀なくされたようで、それはフラストレーションがたまると同時に、活動初期の感覚が蘇る刺激ももたらしてくれたそうだ。そんな状況下で完成させた本作は、電子音の揺らめく波動や緻密に加工を施されたギター・サウンドが、人工的に生みだされたはずなのに、まるで古くから地球に存在していたかのごとく響き、グリッチ音やラディカルなノイズすらも自然界と調和しているかのよう。過去の作品に通じるロマンテイックでセンチメンタルな要素を発しつつも、神秘的なサウンドスケープが広がる。