Page 2 / 3 1ページ目から読む

手応えを感じたのは、『日本海夕日ライン』のとき

――活動してて迷った時期はなかったですか?

「迷った時期?」

――このままでいいのかなとか、辞めようかなとか思ったり。

「思ったことはないですけど、わっかーが卒業(2016年)するって聞いたときは3人になるのかな、どうなんだろうなって思いました。でも、すぐみくちゃん(横山実郁)が入るっていうのを聞いたので」

――わっかー卒業はまったく予想してなかった。

「ビックリしました」

――わっかーとは子供組で仲良かったわけですよね。

「そうです、年少ふたりで」

――なんとなく聞いてはいたんですか? ちょっと迷ってるとか。

「いや、全然知らなかったんですよ!」

――知らなかった!

「相談もなかったので、本人から直接〈卒業します〉って聞いたのが初めてでした。CMとかもあったので、このタイミングかと思って衝撃でした」

――理由はなんだったんですか?

「別の夢が出来て、それを叶えるために勉強しなきゃいけないから活動がおろそかになるのが嫌なのでって話でした」

――その気持ちはわからないでもない?

「そうですね」

――アイドルを続けるのってなかなかたいへんだと思うんですよ。ましてRYUTistぐらいの練習量とライヴの数だとプライベートは完全になくなり、勉強もおろそかになり。

「勉強はおろそかになっちゃったな……」

――まあ、なりますよね。

「もともと頭も良くないのに(笑)」

――アイドル一本で生きていけるかどうかって迷いがどこかで出ますよね、そこで腹を括れるのかどうか。そういうところは大丈夫だったんですか?

「おもしろいし、いろんなことができるので、私は思ったことないですね」

――活動に手応えがあれば続けていけると思っていて、そこに不安感があると、このままで大丈夫なのかっていう迷いが出てくるという。プライベートがなさすぎるから、ふつうのことをしてみたいってなったりとか、そういう意味では不安を感じる瞬間はなかったんですね。

でも、わっかーの卒業によって流れが変わった部分はあると思うんですよ。活動に手応えがないとメンバーがいつ辞めるのかわからないってことで、少しずつ階段を昇っていってる感を出していこうとして、タワーレコードからリリースできるようになったり、東京でのライヴも増えてきたりとか。RYUTistは音源リリースをしながら順調に評価を高めてきたグループですけど、どれくらいから手応えがありました?

「やっぱり『日本海夕日ライン』(2016年)ぐらいですかね。The Pen Friend Clubさんとか、作詞や作曲してくださってるアーティストさんのファンの方がRYUTistを知ってくださることになったのもこのアルバムで」

――そんな豪華アーティストも集めて新潟で開催された〈日本海夕日ラインフェスティバル〉にはボクも司会で呼ばれて。so nice×村松邦男とか、あんな大ヴェテランの人たちと一緒にライヴをやるアイドルってなかなかいないから、いいものを観せていただきました。

「オールスターでしたね、緊張しました。みなさんのライヴを観られてよかったです」

――特殊なグループだと思いますよ。

「RYUTistですか?」

――そうです。

「特殊……」

 

〈Mステ〉さんに出るのは厳しいと思います

――もちろん、いい意味で。他のアイドルとは全然違うじゃないですか。たとえば、前に突然〈「ラストアイドル」見てます!〉って報告してくれたことがありましたよね。

※吉田豪は審査委員として出演

「Tシャツ、ビックリしました。リアルタイムで番組を観てたら、RYUTistってロゴが豪さんのシャツの中からのぞいてて。もしかしてと思って、もう一回映ったときによく観たら本当にRYUTistのTシャツだったので、すぐ写真を撮ってみんなに送りました」

――ボク、意外とRYUTistのTシャツでTVに出てるんですよ。

「けっこう周りからもそうお聞きするんですよ。ありがとうございます」

――「TVタックル」でビートたけしさんに人違いで脅されたときもRYUTistのTシャツを着てたっていう(笑)。

「フフフフ、RYUTistが胸についてるときに(笑)」

――服だけが中和してくれた感じで(笑)。

「ありがとうございます」

――「ラストアイドル」に関しては、〈私も蒲原(令奈)さん好きです〉って言ってましたね。

「好きだったんですよ。でも、豪さんがすごい言われてたじゃないですか」

――アイドル的な完成度の高い人(長月翠)と野生の生き物みたいな人(蒲原令奈)のバトルで、ボクが野生の生き物を選んだ結果、炎上したんですよね。結果的にそれが番組の話題にもなって。

「話題になりましたよね。私は蒲原さんが絶対いいなと思ってました」

――そこが届いたのはありがたいです。ボクはああいう荒削りな野性味のある人が好きなんですよ。

「ハハハハ、野性味ありますね(笑)」

――TV慣れしてない人っていうか、ふと見ると口が半開きになってる感じとか、脚もちゃんと閉じてない感じとか、猫背だったりすると、〈いい!〉みたいになりやすくて。

「じゃあドンピシャにハマッた感じですか」

――すべてが顔に出ちゃう感じとかもよくて。ああいう子で、なおかつなんらかの技術もあったりすると最高ですね。

「すごく歌がお上手でした。でも、自分から辞めちゃったんですよね」

――詳細はボクもわかってないんですけど、いま沖縄でソロで活動してるみたいですね。

「じゃあ、もしかしたらまた観られるかもしれない」

――そうなんですよ。ボクも共演できないかと動いてるんですけど。

「おもしろそうですね」

――意外とTVは好きなんですね。

「はい、けっこう観ます。最近はあんまり観ないんですけど、音楽番組とかは観てますね」

――RYUTistで出たいなとかは?

「あぁ……」

――出てもまずしゃべれない?

「フフフフ、〈Mステ〉さんとかは生放送なので、けっこう厳しいなと思います。生放送で歌うって、しかも〈Mステ〉さんでと考えると震えますね」

――生は配信で慣れてるじゃないですか。

「規模が違いますから!」

――「八千代コースター」とかはどうなんですか?

※新潟総合テレビの情報バラエティ番組

「一緒に出演しましたよね」

――出ましたよ!

「『八千代コースター』さんもおもしろくて観てます」

――ああいう活動も楽しいわけですか?

「楽しいですね。ワイプに映ったりするのがおもしろくて」

――〈あ、私が映ってる!〉って。

「ワイプが好きなんですよ。TV観ててもワイプを観るのが好きで。それこそ〈Mステ〉さんだったら、この人は口ずさんでるから曲を知ってるんだなとか」

――あれ、出る側としてはけっこうなプレッシャーなんですよ、ワイプで神妙な顔しなきゃいけないとかあるので。

「ああ、深刻なときとか」

――「ラストアイドル」とかニヤニヤしてると怒られそうだから、とりあえず顔は作らなきゃいけない、みたいな。それがホント面倒くさくて。他の番組でも、興味なさげな顔とかしてるとバレるじゃないですか。だから、ちょっと頷いたりしなきゃいけなくて、すごい面倒なんですよ。

「そうだったんですか(笑)」

――「ラストアイドル」とか、ああいう音楽関係のバトルの審査員になると、リズムにノッてる、ノッてないとかでけっこうわかっちゃうんですよ、ボク。

「ジャッジのときまでわかっちゃいけないですもんね」

――そうなんですよ。だからバレないようにしなきゃいけないのに、どうしてもノッちゃうんです。そして、興味ない曲をやられたら微動だにしないっていう。

「審査員のみなさんもたいへんなんですね。本気で迷ってるのは迷ってるんですか?」

――〈こっちを選んだら叩かれるだろうな、でもこっちにしたいなー〉ってのはすごいあるんですよ。

「あれ、ホントに自分にジャッジが託されるんですか?」

――完全なガチなんですよ。番組側からしたらこっちを選んでほしいっていうのがあるかもしれないけれど、そこに仕込みはまったくなくて。ただ、番組が望むほうを選びそうな人とか、波乱を起こしそうな人を審査員として選んでいるとは思っていて。なので、来てほしくないときに来ちゃうんですよね。

「自分との闘いですね。『ラストアイドル』はすごい番組だなと思って観てました」

――それで番組側が完全に味を占めましたからね、ボクが少数派を選んだときに限ってほかの審査員の〈考えられない!〉みたいなコメントまで流して、わかりやすい煽り方をされて。

「そうですよね、完全におひとりでしたもんね」

――ハメられた! っていう。「ラストアイドル」に挑戦したいとかは思わなかったですか?

「自分には向いてないなと思いましたね。違うかなって」