サニーデイ・サービスや中村一義が活躍した90年代後半の雰囲気を今に甦らせる5人組の2作目。エスニックな“鰐肉紀行”や、それをエレポップにした“海老肉志向”で細野晴臣まで遡りつつ、別の曲では急にファズ・ギターが唸ったりと、混沌とした空気がおもしろい。そのうえで、ミディアム・バラードの“透明電車が走る”を筆頭にとにかくメロディーが耳に残り、〈西の台風クラブ、東のキイチビール〉を印象付ける。