ハモンド奏者のマイク・フィニガンを父に持ち、自身もモノフォニックスのキーボード兼リード・ヴォーカルを担当してきたベイエリアの才人がソロ・デビュー。これまでにオルゴンらの作品でも歌ってきた人だが、本作ではみずから鍵盤とドラムスを演奏していつも以上のインスタント・ヴィンテージ趣味を全開にし、ソウルフルな歌唱で魅了する。向こう岸のサイケな情緒を眺めるような疑似60年代末の空気を堪能したい。