弾けるピアノのめくるめく音で始まる『マージナリア』の第2弾。兵庫の山奥で暮らす高木正勝が、虫や鳥の鳴き声の他、周囲にある自然の音に合わせピアノを溶け込ませて録音する本シリーズは、現在も進行中で5月末時点で♯66まで公開、今回はその中から14曲が収録されている。自然と対峙したそのピアノの音色は、聴き手を包み込む優しさがあり、安穏としたリスニング体験をもたらしてくる。それでいて瑞々しく舞う姿には力強い生命の息吹きが宿り、身体の芯からムクムクとエネルギーが湧いてくる感覚も味わえるだろう。作品というフィルターを通していながら、直接その自然に触れているかのようだ。