各方面で賞賛を浴びた『Magnetica』から5年、待望の新作が伝えるのは天才音楽家のなかで大きな変動が起きたという事実だ。サルソウル風のストリングスが舞う“September Blues”や自身の内省的な歌声を聴かせる“Incendium”などNYという名の密林と共鳴し合うような曲と、コロンビアやペルーでの記憶を反映したエスノ・チューンなどが雑然と混在。イマジネーションの飛躍ぶりは従来以上で、とにかく眩暈が止まらない。