アントニオ・サンチェスのメイン・プロジェクト、マイグレーションにてエモーショナルでプログレッシヴな演奏でそのサウンドを特徴付けていた鍵盤奏者のリーダー作。サンダーキャットのツアー・ドラマーも務めるジャスティン・ブラウンとエリック・ハーランドという恐ろしいツイン・ドラムやニコラス・ペイトンのトランペットも聴き所だが、ハイパーなフュージョンからアブストラクトな電化ジャズ、美しいコンテンポラリー、そしてフリーをシームレスに行き来するトリッキーな変幻自在感は類を見ないうえ、それぞれが高次元で展開され、期待以上のプログレッシヴ・サウンドが全開にされていて実に痛快。