INTERVIEW

注目のピアニスト、アンナ・フェドロヴァが弾くチャイコフスキー

©Marco Borggreve

注目のピアニストが弾くチャイコフスキー

 2015、17年に来日し、そのチャイコフスキーの演奏が話題となったヴァレリー・ポリャンスキー指揮のロシア国立交響楽団《シンフォニック・カぺレ》。この7月に再来日をするが、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のソリストとして同行するピアニストのアンナ・フェドロヴァにも注目。マルタ・アルゲリッチにも絶賛された逸材だ。

 「両親ともピアニストの家庭に生まれ、5歳でピアノを始めました。音楽に溢れた環境だったので、自然にピアニストの道を歩み始めていた感じです」

ANNA FEDOROVA 4つの幻想曲~ベートーヴェン、ショパン、シューマン、スクリャービン Channel Classics(2019)

 フェドロヴァは1990年ウクライナのキエフ生まれ。18歳まで父ボリス・フェドロフに師事し、その後はイタリアのイモラ国際音楽アカデミーとロンドンの王立音楽院で学んだ。その間も並行して演奏活動を続けていたという。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番に初めて取り組んだのは15歳の時だった。

 「15~20歳まではヨーロッパ、北米でたくさんチャイコフスキーを演奏する機会があり、その後20~28歳までは逆に弾く機会がありませんでした。昨年の9月、コンセルトヘボウで久々にチャイコフスキーを演奏する機会があったのですが、その時に手の内にチャイコフスキーが戻って来た感覚がありました。解釈も10代の頃に較べて自然に深まって来ています」

 彼女にチャイコフスキーの協奏曲の魅力を聞いた。

 「いろいろな意味でコンビネーションの魅力があります。誰もが覚えやすいメロディ、親しみやすいメロディがある。スケールの大きさがあり、テクニック的な要求が多い。それは弾く側にとっても、聴く側にとってもワクワクするものです。そして多彩な感情。前向きでもあり、時にはノスタルジックでもあり、哀しみも喜びもある。また第1楽章には3つのカデンツァがあるなど、音楽的な新しさがある点も見逃せません」

 ウクライナのオーケストラと共演したことはあるのだが、実はロシアのオーケストラとチャイコフスキーのピアノ協奏曲を共演するのは初めてだと言う。

 「ロシア音楽がロシア人にしか理解できない、とは思いませんが、ロシアの文化や伝統を知ることはとても重要です。特に革命前のロシアを知ることは演奏の助けになります。そういう点で、ロシアのオーセンティックな伝統を持ったオーケストラと共演出来るのは素晴らしい機会だと思います」

 合唱指揮者としても名高いポリャンスキーの歌心溢れる指揮、解釈にも期待が高まる。フェドロヴァは録音にも熱心で、オランダのChannel Classicsから録音をリリースしているので、それも含めてチェックしておきたいピアニストである。

 


LIVE INFORMATION

アンナ・フェドロヴァ × ロシア国立交響楽団《シンフォニック・カぺレ》
○7/16(火)19:00開演 東京オペラシティコンサートホール(東京)
○7/25(木)19:00開演 周南市文化会館(山口)
【曲目】オール・チャイコフスキー プログラム
スラヴ行進曲/ピアノ協奏曲第1番/交響曲第5番(東京公演)/交響曲第6番「悲愴」(山口公演)
【出演】ヴァレリー・ポリャンスキー(指揮)ロシア国立交響楽団《シンフォニック・カぺレ》アンナ・フェドロヴァ(p)
www.tempoprimo.co.jp/

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