COLUMN

そらる 『ワンダー』 シンガーとしても、ソングライターとしても成熟を迎えたそらるの集大成

そらる 『ワンダー』 シンガーとしても、ソングライターとしても成熟を迎えたそらるの集大成

デビュー10周年を迎え、そらるの集大成と呼ぶべき傑作が誕生した。それこそが4年ぶり3枚目のアルバム『ワンダー』だ。

ソロとして、またまふまふとのAfter the Rainとしての活動でも知られるシンガー・そらる。デビュー10周年という節目にリリースされる4年ぶり3枚目のアルバムは、昨年よりシングルや配信とコンスタントにリリースを重ねてきた彼の、アニバーサリー・イヤーを締めくくるにふさわしい濃密な一枚となっている。

そらる ワンダー ユニバーサルミュージック(2019)

アグレッシヴなギター・ロック“銀の祈誓”や8bitな音色もチャーミングなポップ・チューン“ユーリカ”、まふまふとの共作によるカオティックなヘヴィネスを聴かせる“アイフェイクミー”と、既発曲たちからもすでにその多彩なサウンドが満ち溢れている本作。じんや堀江晶太、盟友まふまふといった豪華クリエイター陣によってそらるの詞曲は、ページをめくるたびにまるで別世界に誘ってくれるような不思議な感覚を呼び起こしてくれる。

そうした景色が鮮やかに変化していくアルバムのなかで、やはり耳を惹きつけられるのはそらるの淡くて、しかし芯のある歌声だ。時には柔らかに、また時にはアグレッシヴにとその声は楽曲世界に応じてさまざまな表情を見せる。なかでもピアノも美しいミディアム・ナンバー“海中の月を掬う”での、透き通るような序盤からのエモーショナルに歌い上げるサビ……という豊かな歌唱は素晴らしいのひとこと。10年という時を経てシンガーとしても、ソングライターとしても成熟を迎えたそらるの集大成と呼ぶべき傑作に仕上がった。

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