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「キャロル&チューズデイ」を彩るその他の美曲群も個別で解説するよ!!

キャロル&チューズデイ “Round & Laundry”
コインランドリーでの即興演奏をきっかけに生まれた開放的な雰囲気のナンバー。アコギとエレピとリズムボックスによるラフなアレンジが逆にメロディーの美しさを強調しており、〈Boom boom boom boom yeah〉という勢いのついたフレーズも印象的。作詞/作曲/編曲は赤い公園の津野米咲。 *北野

アーティガン “Who am I the Greatest”
C&Tの二人と何かと関りを持つことになる火星のトップDJの楽曲は、ビルドアップやドロップの堂々たる展開を含めて彼の自信家な一面が表現されたトラップ系EDMチューン。制作を手掛けたのは、渡辺監督作品には「スペース☆ダンディ」に続いての登板となる☆Taku Takahashi。 *北野

スキップ “unrequited love”
渡辺監督とは「ブレードランナー ブラックアウト2022」の音楽で縁のあるフライング・ロータスと、彼の盟友であるサンダーキャットが提供した幻想的なメロウ・ソウル(後者は歌唱も)。通好みのミュージシャンという設定のスキップは、見た目も含めサンダーキャット自身がモデルだろう。 *北野

クリスタル “Unbreakable”
C&Tの二人も憧れを抱く火星の歌姫が切々とした美声を響かせる正統派R&Bバラード。歌唱はマイケル・ウッズ曲で知られるローレン・ダイソン、作詞/作曲はビヨンセやリゾなどにも提供するエヴァン・ボガートと、アヴリル・ラヴィーン“Tell Me It's Over”に寄与したジャスティン・グレイ。 *北野

キャロル&チューズデイ“Whispering My Love”
オーディション本選の第一1回戦で披露された、鳥のさえずりのように心地良く重なり合う二人の歌声に心が洗われるナンバー。ラストのウィスパー・ヴォイスによるエアリーな二重唱を含め、楽曲提供者であるジェン・ウッドらしさを感じさせる。USインディー・フォーク好きならハマるはず。 *北野

GGK “Milky Way”
〈宇宙と繋がっている〉と主張するミステリアスなシンガーの楽曲は、テイラーとマディソン・マクファーリン兄妹が制作。LAビート周辺にも接近したアトモスフェリックな音像と、そのなかをゆらゆらと泳ぐマディソンの歌声が、ジョージア・アン・マルドロウなどに通じる神秘系ネオ・ソウルに。 *北野

マーメイド・シスターズ  “Galactic mermaid”
抜群のコンビネーションで魅了するコーラス・グループの歌唱を務めるのは、ひとり多重コーラスの動画をネットで発表しているクリヤマユウリ。三毛猫ホームレスなどで活躍する柿本論理が作曲を手掛けている。可憐でオールドタイミーなアカペラ・ソングながら、歌詞はひたすらダーティー。 *澤田

シベール  “La ballade”
チューズデイを追い掛ける少女の楽曲は、CM~アニメ音楽仕事もこなすシンガー・ソングライター、Maika Loubteが作・編曲から歌唱までを担っている。ウィスパー・ヴォイスで歌われるフランス語の響きが美しいフレンチ・テクノ・ポップなナンバーで、キャラ同様にどこかミステリアスな趣が。 *澤田

アンジェラ “Move Mountains”
キャロルとチューズデイのライヴァル的な存在であるアンジェラの歌唱は、本作でデビューする英国生まれの大学生シンガー、アリサが担当。アリアナ・グランデなどの楽曲も担ったトラックメイカー、リド製の流麗なEDMを乗りこなし、ハイトーンのヴォーカルを炸裂させる様が気持ち良い。 *澤田

GGK  “Gravity Bounce”
GGKの歌うもう1曲も、テイラー・マクファーリン&マディソン・マクファーリン兄妹がプロデュース。浮遊感のあるクールなガラージ~ディープ・ハウス調のナンバーに仕立てられており、マディソン嬢のシルキーな歌声がタイトルさながらに耳元で弾み続け、ASMR的な恍惚を醸し出す。 *澤田

アンジェラ  “All I Want”
ふたたびアンジェラによるナンバーは、スパズキッド名義のリミックス・ワークなどでも知られるトラックメイカー、マーク・レディートがプロデュース。トロピカルなダブステップ調のビートと、小気味良く跳ね回るヴォーカルとが交錯し、アップ・リフティングなグルーヴを生み出している。 *澤田

キャロル&チューズデイ “Lost My Way”
“Whispering My Love”に続いて、ジェン・ウッドらがヒロインたちの楽曲をプロデュース。クラシカルなピアノとアコースティック・ギターだけで紡がれる、シンプルでホーリーな気品を纏った楽曲だ。ネイ・ブリックスとセレイナ・アンのナチュラルなハーモニーを堪能できる。 *澤田

アンジェラ “Light A Fire”
アンジェラによる3曲目は、エヴァン・ボガートとジャスティン・グレイが手掛けたスケール大のバラード。ピアノやストリングスのアンサンブルが、パワフルな歌声をシンプルかつドラマティックに引き立てている。〈心に火を点ける〉(日本語訳)と繰り返し、力強く歌うサビが美しい。 *澤田

左から、赤い公園のベスト盤『赤飯』(ユニバーサル)、ネイ・ブリックスの2018年作『Wasted Callaway』(SWEET SOUL)、DJ OKAWARI × Celeina Annの2019 年作『Nightfall』(Mono Creation)、7月3日にリリースされるm-flo のニュー・シングル『mortal portal e.p.』(rhythm zone)、フライング・ロータスの2019 年作『Flamagra』(Warp)、サンダーキャットの2017年作『Drunk』(Brainfeeder)、ジャスティン・グレイが参加したアヴリル・ラヴィーンの2019 年作『Head Above Water』(BMG Rights)、エヴァン・ボガートが参加したリゾの2019 年作『Cuz I Love You(Deluxe Edition)』(Atlantic)、ジェン・ウッドの2014 年作『Wilderness』(New Granada)、テイラー・マクファーリンの2014年作『Early Riser』(Brainfeeder)、Maika Loubteの2014 年作『100』(Pヴァイン)、リドの2017年作『Everything』(Because)、マーク・レディートの2019年作『Neutropical』(MAGNIPH)