INTERVIEW

安斉かれん 『誰かの来世の夢でもいい』 〈いまをもっと大事にしよう〉って気づいてもらえるような曲

安斉かれん 『誰かの来世の夢でもいい』 〈いまをもっと大事にしよう〉って気づいてもらえるような曲

安斉かれんが、タワーレコード限定で8cm無料シングル『誰かの来世の夢でもいい』をリリース。これを記念して、タワーレコードではフリーマガジン〈TOWER PLUS+〉の臨時増刊号〈別冊TOWER PLUS+〉を発行いたします! ここでは中面に掲載されたインタヴューを転載。別冊TOWER PLUS+は、タワーレコード全店にて配布中!
※タワーレコードオンラインは除きます。※別冊TOWER PLUS+は無くなり次第終了となります。※天候や交通事情により配布が遅れる場合がございます。

安斉かれん 誰かの来世の夢でもいい avex(2019)

令和元日である5月1日にサブスク限定シングル『世界の全てを敵に感じて孤独さえ愛していた』でエイベックよりデビューした、19歳のシンガー・安斉かれん。中学生時代はサックス奏者としてアンサンブルで県大会で金賞を獲得するほど吹奏楽部に熱中し、高校生になると〈音楽の世界で生きていきたい〉という思いでレッスンに明け暮れたという彼女。16歳に時に書かれたというデビュー曲には、「普通の高校生活をうらやましく思ったり、劣等感や孤独感に苦しんで挫けそうになったこともあったけど、私は自分が決めたこの道を進もうって思ったんです」という覚悟が描かれていた。

その後、渋谷の人気ショップ〈RELECT(リレクト)〉で店員としても働きながら、コスメティックブランド〈M・A・C〉の店頭コレクションヴィジュアルに起用された彼女は、デビュー前にして、一気に次世代ギャル=〈ポスギャル(ポストミレニアルギャル)〉の1人として世間の注目を集めることとなった。

「小学生の頃からギャル雑誌を読んでて。100円ショップでツケマを買って、お母さんの化粧品を借りてメイクをしたりしてましたね。両親からは〈もっと小学生らしいカッコをしなさい〉って怒られていたんですけど、当時からギャルの聖地である渋谷に憧れていて。いまは、憧れだった渋谷のショップで働いたり、ミュージックビデオの撮影も渋谷が多かったり、そこをベースに活動しています。渋谷は再開発中でどんどん変わっていっているので、変化していく渋谷と共にひとつの時代を作っていきたいし、新しいカルチャーを発信していきたいと思ってますね」

デビュー3部作で一連の物語を描いているミュージックビデオの舞台は、AR(拡張現実)がさらに進化し、高度なMR(複合現実)が実現した近未来の〈Immersive Society 3.0〉。サイバーパンクとヴェイパーウェイヴが融合したアヴァンギャルドな映像となっており、7月1日からサブスク配信が解禁となったセカンド・シングル曲“誰かの来世の夢でもいい”のMVでは、現実空間のなかにホログラムで立ち現れるベタや、画面に映る男性がキーとなっている。

「未来感の強い映像なんですけど、歌詞と紐づいた切なさがあるので、歌詞を聴きながら何度も観て欲しいなと思いますね」

MVは近未来だが、サウンドの根底にあるのは、ルーズソックス第一世代と呼ばれるコギャルたちに絶大な支持を得ていた90年代のJ-Popサウンドである。煌めくシンセのバッキングとハードロック然としたエレキギター、打ち込みのような乾いたバンドサウンドと、独特の転調やレンジの幅の広いメロディライン。そして、力強くも甘酸っぱくて切ない、どこかロマンチックなムードも漂うまっすぐな歌声。彼女が「いままで聴いたことがなかった曲調だったし、私たちの世代には新しく聴こえるんじゃないかと思います」という90'sのリヴァイヴァル・サウンドによって作れられたミディアムバラードには、彼女の音楽に対する強い意志とともに、ポストミレニアル世代である自身のリアルな感情と大切な人への思いが込められている。

「よく〈いまを大事にしよう〉っていう言葉を耳にするけど、本当に人生のなかで深く考えることはそんなにないと思うんですよね。きっと、大切な人を失いそうになったり、失ってしまった時に初めて考えることだと思うんです。私は実際にそういう経験をしたことがあって。楽しかったことばかりをたくさん思い出したし、未来が全く考えられなくなるなかで、自分は何もできないっていう無力感しかなくて。失いそうになって初めて気づいたこと――もっといまを大事にすればよかったっていう気持ちを率直に、無心で書きました」

〈だから、クサイことを言う様だけれど〉と何度も念を押しながら、タイトルにもある様に、明日でも、明後日でも、ただの来世でもなく、〈誰かの来世の夢〉でもいいから会いたいと歌っている。

「想像がつかない、あり得ない世界でもいいから会いたいっていう切実な願いですよね。本当にクサイなと思うんですけど(笑)、その時の本物の感情を証としてずっと残しておきたいなと思って。常にいまを大事にしようとは思っているけど、やっぱり、その時の感情に戻れるかといったら戻れない。だからこそ、忘れないように歌にしたんですね。私は自分の心に刻むために書いたけど、同じような経験をしたことがある方もいると思うし、当たり前の日常を過ごしている時こそに聴いてもらって、いまをもっと大事にしようって気づいてもらえるような曲になったらいいなと思います」

ファッションやメイクが先行して、同性から徐々に支持を得ているが、意志の強い歌声やデビュー作から作詞を手がける姿勢など、彼女が人生をかけているのは間違いなく音楽だ。安斉はラヴソングとして書いた“誰かの来世の夢でもいい”を〈君〉に届くようにこの歌を歌うと締めくくっている。本人はまだ感覚的に書いている部分も多いのだが、音楽に対する情熱と、この歌を絶対に届けるんだと言う執念にも似た思いを感じずにはいられない。

続く、3部作の最終章となるサード・シングルは〈5分で書いた〉と言う噂だが、果たしてどんな曲になっているのか。「あまり目標とかを決めずに、いつもまでも音楽を好きでいたい」と言う彼女は現在、バンドとともにスタジオに入っているという。

「これまではオケでしか歌ったことがなかったので、生演奏で歌うのは難しいんですけど、オケで一人で歌う時とは比べものにならないくらい楽しくて。みんなで一緒に音を出すからなのかな。吹奏楽部の時の想いも甦るんですよね。私はやっぱり、みんなで1つの音楽を作り上げることが好きだし、早くライヴもやりたい。楽しみに待っていてなんて、まだまだ言えないですけど、私が一番楽しみにしてます」

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