勢いのある巻き舌が気持ちよい上方落語の笑福亭たまによるCD2作目。「源平盛衰記」「桂福車師匠の話~マクラより~」「ショート落語&猫の忠信」の軽快な3席。先日亡くなった桂福車師匠を語る2席目では、芸人というのは亡くなったかたの話をすることがひとつの供養でもある、と約12分のマクラ(本題前の小咄)による福車師匠との思い出話を収録(これは本来なら高座でしか聞けないはず)。音楽然り、作品は仕上がれど、披露するとなると印象や出来は毎回ちがうだろう。だからこそ寄席に行きたいし、だからこそ今のこのトーンで、声で、リズムで、このタイミングでのCD化。聞き取りやすい甲高い声にはほれぼれする。