Page 2 / 3 1ページ目から読む

LA TOYA JACKSON La Toya Jackson Polydor(1980)

『Off The Wall』(79年)を意識しながらほぼ全曲をオリーE・ブラウンが職人的に仕立てた初作。唯一マイケルが制作してヴォーカルでも大幅に援護した“Night Time Lover”は、もともとドナ・サマー用に書かれたという強力なディスコ・ファンクだ。一方、“Don't Stop 'Til You Get Enough”の激似曲として名高いビリー・オーシャン“Are You Ready?”をほぼそのままのアレンジでカヴァーしているのも謎におもしろい。

 

LA TOYA JACKSON My Special Love  Polydor/Cherry Pop(1981)

引き続きオリーE・ブラウンが大半をプロデュースした2作目。またもビリー・オーシャンのカヴァー“Stay The Night”で幕開けしつつ、ラトーヤ自作(ジャネットと共作)の“Camp Kuchi Kaiai”がカーティス・メイフィールドの某曲にそっくりながらも絶妙なリゾートAOR仕様で素晴らしい。弟ランディの手掛けた微笑ましいアップ“Giving You Up”と兄弟たちのペンによるライトなディスコ“Special Love”も含む好盤。

 

LA TOYA JACKSON Heart Don't Lie Private I/Funkytowngrooves(1984)

レーベルを移籍し、クール&ザ・ギャングのアミール・ベイヤンをプロデューサーに迎えたサード・アルバム。ハワード・ヒューイット(シャラマー)とのデュエット形式でミュージカル・ユースを従えたタイトル曲はレゲエ・フレイヴァーを導入した陽気なアップで、自己最高位となる全米56位を記録した。プリンスの直球なカヴァー“Private Joy”や兄ティト制作の“Frustration”なども聴きどころとなる力作だ。

 

LA TOYA JACKSON Imagination Private I/Funkytowngrooves(1986)

ポップス畑のマイク・ピッチリーロとゲイリー・ゴーツマンが核になった4作目。数年前のプリンスっぽい“Weak Spot”などシンセ・ポップ主体で仕立てられ、日本の世界歌謡祭で入賞した“Baby Sister”(ジャネットがバック・ヴォーカルで参加)なども収録。デバージによる前年の全米No.1ヒット“Rhythm Of The Night”を完全に模倣した“On A Night Like This”が、いま聴くと可憐なトロピカル歌謡で心地良い。

 

LA TOYA JACKSON La Toya Teldec/Wea/Cherry Pop(1988)

父ジョセフのマネジメントを離れて最初のアルバムで、ジャケの通りセクシー路線に転身した5作目。JBを復活させたばかりのフル・フォースが“You're Gonna Get Rocked”などヒップホップ感覚のビートを仕掛ける一方、PWLで全盛期を迎えていたストック・エイトキン・ウォーターマンも豪勢にスウィングする人懐っこいポップ・チューンを提供し、特に後者でのダイアナ・ロスっぽい華やかさはなかなかのもの。

 

JIMMY CLIFF The Singles BR Music(2003)

このレゲエ界の大物にとって80年代を代表する大ヒットとなり、グラミー・ノミネートまでもたらしたカリビアン・ディスコ調の“Reggae Night”(83年)はアミル・ベイヤンとラトーヤが共作したもの。そもそもは『Heart Don't Lie』のために書いていたものの、最終的にアルバムから外れたところをジミー・クリフに提供されたのだという。悔いがあったのか、90年代に入ってから彼女自身もカヴァーしている。