ブルックリンで活動するバンド、フローリスト。フロントを務めるエミリー・スプレイグはモジュラー・シンセのコレクターであり、現在は西海岸に拠点を移し、バンド活動の合間にそのモジュラーを駆使したソロ作品を制作し発表してきた。本作は2017年と2018年にそれぞれカセット&配信で限定リリースされた対になる作品を一つにまとめRVNGから再発されたもの。丁寧にレイヤードされていくシンセ音に包まれると、成程水の中にいて、その壮大な記憶を遡っているよう、看板に偽りなし。過剰に盛り上がることもなければ決して冷たくもなく、平熱の夢見心地が延々と続く、というか続いて欲しい。