前作で絡んだビリー・アイリッシュとの仲やフライング・ロータスとの共演も注目されるフロリダの雄が、1年ぶりの新作を投下。ポイズン・クランを模したロゴや往年のローカル・ラップを連想させるジャケが示唆するように、父について歌ったパワフルな先行ヒット“Ricky”、亡き兄弟やXXXテンタシオンに捧げたメロウな“Wish”、同郷のリック・ロスと再合体した“Birdz”など、身近な主題の楽曲をフィーチャーした構成は地元キャロルシティの愛称を冠したアルバム・タイトルの通りだ。テイ・キース制作のヒプノティックな“Automatic”やヒプノタイズ・マインズ作法の“Carolmart”、リル・ジョン使いのブーミンなバウンス“Shake 88”あたりの伝統的なノリも、一周回ってまた新鮮なサウスの熱気を伝える快作。