移籍を経て前作から1年足らずで到着した新作。昨年発表したNOLAのサックス奏者ヴァンデル・アンドリューとのスムース・ジャズな“Joyful Noise”を収録し、制作陣には初顔合わせを含む複数の才人を迎えているが、愛をテーマに歌うバラディアーとしての本質は当然ながら変わりない。表題曲のほか、ドンテイ・ウィンスロウの管弦を導入したプリンス~ディアンジェロ路線の“Rose Gold”、元ティム&ボブのティム・ケリーが手掛けた“Just Right”や“Ballerina”など、裏声を用いて狂おしく歌い上げるスロウは彼独特の世界だ。同時に、スティール・ドラムを採り入れ、エドリー・シャインを招いた“Magnet”のようなレゲエ~カリブ音楽アプローチの曲も用意してクラブ方面にも対応。ソロ15年目の風格も滲む一枚だ。