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スリップノット 『We Are Not Your Kind』 バンドの持つ要素すべてが注入され、いい意味でファンの予想を裏切る作品にしたかった

スリップノット 『We Are Not Your Kind』 バンドの持つ要素すべてが注入され、いい意味でファンの予想を裏切る作品にしたかった

スリップノット、5年ぶりのアルバム『We Are Not Your Kind』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン〈TOWER PLUS+〉の臨時増刊号〈別冊TOWER PLUS+〉を発行! ここでは中面に掲載されたコラムを転載いたします。別冊TOWER PLUS+は、タワーレコード全店にて配布中!
※タワーレコードオンラインは除きます。※別冊TOWER PLUS+は無くなり次第終了となります。※天候や交通事情により配布が遅れる場合がございます。


アイオワが産んだ猟奇趣味的激烈音楽集団、スリップノットが再びシーンに戻ってきた! 99年リリースの『SLIPKNOT』から20年、全米チャート1位や100万以上のセールス、自身のバンド名を冠したフェス開催などの〈栄光〉とオリジナル・メンバーの死去や脱退などの〈苦難〉を同居させながらもギリギリの一線で踏み止まってきたバンドが渾身の6枚目となるアルバムをリリースする。究極の混沌が再び世界を覆い尽くす……。

SLIPKNOT We Are Not Your Kind WARNER MUSIC JAPAN(2019)

 世界19ヶ国のアルバム・チャートにおいて初登場でトップ5入りを果たし、米国のみならずここ日本でもNo.1に輝いた『.5:ザ・グレイ・チャプター』から約5年を経て、スリップノットの通算6作目にあたる新作が完成した。題して『ウィー・アー・ノット・ユア・カインド』。その出来ばえについて、フロントマンのコリィ・テイラーは躊躇なく満足を口にしている。

「俺たち全員、これほどまでに素晴らしい楽曲を揃えられたことが信じられないくらいなんだ。出来のいい曲ばかりで、むしろ問題だったのはどの曲を外すかを決めることだった。俺たちとしては、このバンドの持つ要素すべてが注入された作品にしたかったし、同時に、いい意味でファンの予想を裏切るものにもしたかった。今回は音楽面でもそれ以外のことについても、ジム・ルートとクラウンの2人の貢献がとても大きくて、彼らがアルバム制作の手綱を握り、方向性を定め、リーダーシップを発揮してくれた。俺が作詞に取り掛かろうとする頃には、ものすごい量の楽曲の選択肢がすでにあったんだ。ダークで、ヘヴィで、メロディックで、そのクリエイティヴさに圧倒された。そして俺は俺で、自分が言いたいことをしっかりと歌詞にすることができた。確かに時間はかかったけども、生半可なものにはしたくなかったし、考える時間を充分に得られたことが功を奏したと思う」

アルバムに先がけて公開された“アンセインテッド”は聖歌隊のようなコーラスが印象的なナンバーだが、コリィは当初このコーラス導入のアイデアを気に入っておらず、この楽曲自体のあり方についてもなかなか確信を持てずにいたことを認めている。

「あの曲は制作期間の最後のほうで録ったもので、良い曲になることはわかっていたんだけど、どう仕上げるべきかが見えなかった。どんな始まり方にすべきかについてもね。しかし結果的には、あの合唱とキーボードのイントロが生まれたおかげで、俺たちがこれまでにレコーディングしてきた楽曲のなかでも最上級にビッグで、しかもシングルにうってつけの曲になった。あの曲みたいな領域にはこれまで足を踏み入れたことがなかったはずなのに、最高にスリップノットらしい曲になった。これは俺たちにとって誇るべきことだと思う。そして俺はこの曲に、過去の痛みを忘れるための歌詞を載せた。痛みを味わう原因を作った自分を許容すること、傷や記憶に伴う痛みを露わにするのを恐れずに前進することの大切さを綴ったんだ」

1999年のデビュー以来、音楽カテゴリーの呼び名がどう変わろうと、スリップノットは常に容赦のない激烈音楽で、シーンを象徴する存在であり続けてきた。しかもその歩みはずっと順風満帆だったわけではなく、メンバーの死や脱退をはじめとするいくつもの苦難を伴うものだった。それを乗り越えながら前進を続けようとする彼らの姿は、多くのファンにとってある種の心の支えにもなってきたに違いない。そしてコリィは、今作に掲げられた〈おまえたちとは違うんだ〉という意味合いのタイトルが、バンドとファンとを繋ぐものであることを認めている。

「このタイトルは、俺たちにとってのスローガンのようなもの。そして同時に、みんなにも俺たちと同じように考えて欲しいという気持ちの表れなんだ。いまという時代、悲しいことに人々が思想や人種といったものを理由に分裂しがちだ。嫌悪感を作り出す連中がいて、俺たちがバラバラになるよう仕向けているのさ。俺にとってこのアルバム・タイトルは、そういった世の流れに歯止めをかけようとするものであり、〈おまえが何者だろうと、どんな肌の色だろうと、何を信仰していようと関係ない!〉と言っているんだ。ただ、俺たちの信じること、俺たちの音楽、俺たちの生き方に共感してくれるのなら、俺たちのもとにやって来てくれ。もちろん俺たちはみんな違う人間だ。だけど、違うからこそ一体になることに意味がある。俺たちみんなで、ひとつの種族を作ることができるのさ。誰にも俺たちを引き裂くような真似はさせない」

スリップノットを先頭集団とする種族の歩みは、この先も止まらない。すでに7月26日からはヴォルビート、ゴジラ、ベヒーモスを従えての全29公演に及ぶ北米ツアーがスタートしており、来年3月には、彼らの主宰による『KNOT FEST JAPAN 2020』の日本再上陸も決定している。その場でともに〈We are not your kind!〉と心からの叫びを重ねる瞬間の到来が、いまから楽しみでならない。

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