デビュー20周年イヤーに突入した倉木麻衣。「ファンの方は私以上に私のことを分かっているので」とファンの声に耳を傾けて制作された20周年イヤー記念オリジナル・アルバム『Let's GOAL!~薔薇色の人生~』についてやリリース後のツアーについて語ってもらった。

倉木麻衣 Let's GOAL!~薔薇色の人生~ NORTHERN MUSIC(2019)

デビュー・シングル『Love, Day After Tomorrow』(1999年)から20年。アニバーサリー・イヤーを迎えた倉木麻衣から、12作目となるオリジナル・アルバム『Let's GOAL!~薔薇色の人生~』が届けられた。アニメ「名探偵コナン」とのタイアップ・ソング“きみと恋のままで終われない いつも夢のままじゃいられない”、“薔薇色の人生”を含む本作には、デビュー当初の彼女を想起させるR&Bテイストのナンバーをはじめ、ロック、バラード、エレクトロなど幅広いジャンルを取り入れた楽曲を収録。ヴォーカリストとしての繊細で奥深い表現力が堪能できるアルバムとなった。

「音楽は自由だと思うんですよね。私自身、様々なジャンルの楽曲にトライしてきたし、〈ライヴで盛り上がたい〉という気持ちで制作することもあって。デビューの頃のようなR&Bテイストの曲も大好きですし、ファンのみなさんからも求めていただけることも多いんですよ。今回のアルバムには“Long distance”、“Wishing on a..”のようなグルーヴ感のある楽曲もあるし、いろいろなタイプの曲を楽しんでいただけるんじゃないかなって」

レディー・ガガの楽曲を数多くプロデュースしているフェルナンド・ガリベイが参加した“Body talkin'”も印象的。エレクトロとR&Bを融合したトラックと〈どんな時も愛してた..〉というフレーズがひとつになったこの曲からは、倉木麻衣の音楽世界がさらに進化していることが伝わってくる。

「最初フェルナンド・ガリベイさんが制作に関わっていることは知らなくて、楽曲を聴いて、〈ぜひやりたい!〉と思ったんですよね。洋楽テイストなんだけど、どこか日本の歌謡曲のような雰囲気もあって。歌のレンジもいままでにない感じだったし、ぜひトライしてみたいなと。作詞はかなり難しかったです。サウンドの雰囲気を活かしたかったから、語尾の響きを意識しながら、英語と日本語のバランスを取ってみました」

アルバムのタイトルにもつながっている“薔薇色の人生”は、〈生まれた意味、生きる意味を自分の手で作りだして、未来に向けて進んでいこう〉というメッセージを込めたパワーソング。この曲には彼女の活動を支え、応援してきたファンに対する思いも反映されているという。

「20年の活動のなかで、いろいろな場所でファンのみなさんと一緒に前向きな気持ちや夢をつないでこられたという実感があって。“薔薇色の人生”には、〈これからも夢に向かって進んでいこう〉というメッセージを散りばめさせてもらっているんです。幸せの在り方は人それぞれだと思いますが、みんなで薔薇色の人生に向かってゴールできたらいいなって」

さらにボーナス・トラックとして“負けないで”(ZARD)のカヴァーを収録。初回限定盤は〈Blue〉〈Yellow〉〈Black〉〈Green〉〈Red〉の5タイプで、それぞれに異なるブックレットが付くなど豪華な仕上がりになっている。アルバム・リリース後は、全国ツアー〈20TH ANNIVERSARY MAI KURAKI LIVE PROJECT 2019〉がスタート。20周年をきっかけにして倉木麻衣は、さらなる充実期に向かうことになりそうだ。

「全国ライヴではアルバムの曲はもちろん、ファンのみなさんが聴きたいと言ってくださる曲、『名探偵コナン』の曲も歌いたいと思っています。新しい試みとして、ある楽器とのコラボレーションもあるので、楽しみにしていてほしいですね。この先のヴィジョンですか? たぶん、アルバムが出て、全国ライヴを終えたときに見えてくるんじゃないかな。この20年も、いろいろな出会いやきっかけをいただいて、〈やってみよう!〉という積み重ねで進んできたので。人生って一瞬だなって思うし、これからもやりたいことにどんどん挑戦していきたいですね」