演奏時67歳のザンデルリンク、壮年期の貴重な1980年代の正規音源が登場。シューマンの《春》はセッション録音どころか、これまで正規のライヴ音源も発売されていなかった曲のため、期待度が高まる。演奏は雄弁で豊かな、まさにザンデルリンク節。ブラームスの第4番はSKDとの72年録音と、再録のベルリン響との90年録音盤との間に位置する演奏で、こちらもバランスが良くドイツのオケをドライヴするかのような語り口に好感が持てる。フランス国立管との組み合わせは色彩的にも興味深い。音質的にもバランスが見事。ファンには必聴の音源である。