〈湖池屋ポテトチップス〉CMでのパワフルなヴォーカルで、〈あの子は誰だ!〉と話題となった鈴木瑛美子がついにデビュー! 〈最強女子高生ゴスペルシンガー〉のキャッチフレーズでデビュー前のシンガーとして異例の実績を積んできた鈴木瑛美子に、音楽に出会ったきっかけやデビュー曲について聞いてみた。

鈴木瑛美子 FLY MY WAY/Soul Full of Music avex trax(2019)

――まずは鈴木さんが音楽を好きになったきっかけを教えて下さい。

「私自身は歌を習ったりとかは全くしていなかったんですが、父がゴスペルを教える仕事をしていたり、母もそのクワイアに参加していたり、そういう環境もあって、いつも家で歌っていましたし、父がプロデュースするコンサートやイヴェントに家族で出演もしていました。だから、たぶん生まれる前から音楽は聴いていたと思いますし、歌うことも当然のことのように思って過ごしてきました。私には姉がいるんですが、小学生のとき学校から帰って来て〈ママ~、他の家って歌わないらしいよ!〉って驚いてたみたいなんです(笑)。それくらい私の家ではみんなで歌うのが普通のことだったんです(笑)」

――日常に歌が溢れていたんですね。

「はい。ずっと歌ってました。ある日、姉がクリスティーナ・アギレラのCDを買って来て車のなかで流していたんですが、私はまだ小学生だから、彼女のことを全く知らなかったんです。でも、その歌を聴いて、あまりの力強さに衝撃を受けて、そこからはソウルフルなアーティストの曲ばかりを探して聴くようになりました。

ルーツとしては、ずっと携わって、聴いてきたゴスペルがある。私の歌の力強さや楽しくみんなで歌うというのはそこから来ているので、ここはブレずに取り入れていきたいなって思っています」

――デビュー作の“FLY MY WAY”と“Soul Full of Music”は、ご自身の作詞・作曲ですが、どんな想いを込めて作りましたか?

「“FLY MY WAY”は、友だちや今まで自分に関わってくれた人たちに贈る曲。私が世の中に知られるようになっていくことに、〈嬉しいけど、遠くへ行っちゃうような感じがして寂しい〉って言う人がすごく多いんです。でも、私自身は何も変わらないしどこにも行かないし、ずっと友だちでしょ?って思っているので、それを音楽で伝えようと思いました」

――そういう方たちの存在は、鈴木さんにとっても支えになっているでしょうしね。

「そうなんです。この曲があれば、例え環境が変わっても、また初心に戻れると思い、この曲をデビュー曲にしました。しかも、この曲のコーラスには私をずっと知ってくださっているゴスペルシンガーの方々や姉も参加してもらいました。最初の大事な曲だし、お世話になった人たちのことを歌っているので、その人達の声も入れたかったんです。それにゴスペルの方々だから、声が強い。それが欲しかったのでお願いしました。尊敬している方々に協力していただいたので、本当にありがたかったですし、幸せです」

――周りの方たちへの想いを表現した“FLY MY WAY”に対し、“Soul Full of Music”は、ご自身のことを歌っている楽曲ですよね。

「自己紹介的な感じです。自分の中身をさらけ出しました。だから、ちょっと子供っぽいような歌詞もあるんですが、その箇所にもメッセージを入れています。アレンジは大勢のブラス編成で分厚くし、コーラスも女性2人に参加していただいてセクシーな雰囲気にもなっているので、そのコントラストも楽しんでもらいたいです」

――途中の転調が大胆ですよね。

「曲に盛り上がりが欲しかったんです。それでどうやったら盛り上がるんだろう?って考えたとき、私の知識では転調しかありませんでした(笑)。この半音2回で全音転調する感じをアレンジャーさんが〈いいね〉って言って受け入れてくださったので、それが嬉しかったです。アレンジに本当に助けられ感謝しています」

――こうやってご自身で作詞作曲を手掛けるというスタイルは、今後も続けていく予定ですか?

「そうですね。自分でも作りつつ、提供曲も歌っていきたいです。自分で作るんだ!って追い込むとパンクしちゃう気がしますから(笑)。それに自分のリミットを超えていきたい気持ちも大きいです。これから多くのジャンルを歌っていき、自分なりに歌うことで、〈ジャンルにとらわれない鈴木瑛美子〉を作っていきたいです」