サラ・ヴォーン、モンクの両コンペを勝ち取り、2017年発表のデビュー作はグラミーにも ノミネート、と、実績は十二分、1991年生まれの若きジャズ・シンガー。2作目となる本作で彼女が一人のシンガーからジャズ音楽家として大きく成長した姿を見た。彼女の発する一音一音があらゆる制約から自由であり、ブレスの端にもスウィングがある。それらがバンドの演奏までも司る様に天賦の才を感じざるを得ない。エリカ・バドゥ『ママズ・ガン』のラストを飾るジャズ・ナンバー、“グリーン・アイズ”のカヴァーも素晴らしく、彼女が次世代のジャズ・ディーヴァとしてシーンを牽引していく象徴的なナンバーだ。