実に9年ぶりの新作が到着。MPBやジャズ、ソフト・ロックなどを消化した流麗なサウンドと、ロマンティックでいてメランコリックな詩情溢れる物語を13のポップソングを通じて紡いでいる。奥ゆかしいイージー・リスニング志向だった過去作よりも、榊原香保里(Lamp)の歌とメロディーの存在感を押し出しており、どこか〈80年前後の日本のポップスの知られざる名盤〉のような趣も。過ぎゆく夏のなかで、静かに耳を傾けたい。