COLUMN

当代最高のオーボエ奏者、モーリス・ブルグが傘寿記念公演を開催

©Ayane Shindo

当代最高のオーボエ奏者が傘寿記念公演を華々しく開催‼

 1967年にシャルル・ミュンシュを初代首席指揮者に迎えて創設された世界屈指の名門パリ管弦楽団。その初代首席オーボエ奏者を12年に渡って務めた巨匠モーリス・ブルグが今年80歳になるのを記念し、ファンが多い日本での公演が決定した!

 彼の持ち味は何と言ってもクリスタルのような輝きを放つ澄んだ音色で、その原動力になっているのが8年もかけて研究したという“自然な呼吸法”。本人によると、「体が自然に呼吸し、正しい姿勢を保ち、それを音楽にいかす。すべての音楽は、自然で自由で繊細かつ正確な呼吸法から生まれます」とのことだ。

 ブルグはまた、知られざるオーボエの名曲の発掘と紹介に長年力を入れており、ゼレンカ、トリエベール、ハイドン、モーツァルト、ジョリヴェ、パヴェル・ハースが並ぶ今回の演目も、まさにそんな在り方の賜物と言える。J.S.バッハと並び立つ存在だったにもかかわらず、20世紀中盤以降にようやく評価されるようになったゼレンカのトリオ・ソナタ第2番。19世紀にオーボエのシステムを劇的に改良したトリエベールの協奏的幻想曲。若き日のブルグが大いに刺激を受けたに違いない“音楽のジキルとハイド”ことジョリヴェのオーボエとファゴットのためのソナタ。ヤナーチェクの愛弟子で、ユダヤ系だったことから第2次世界大戦中に強制収容所で命を落としたパヴェル・ハースのオーボエとピアノのための組曲と、いずれも豊かな創意と緻密な技法で編まれた傑作ばかり。そこにハイドンのピアノ三重奏曲とモーツァルトのソナタという古典の傑作も加わるので、ブルグの柔軟で研ぎ澄まされた音楽性を存分に味わえることだろう。

左から、吉井瑞穂、ギヨーム・サンタナ、今仁喜美子、桒形亜樹子(©林喜代種)

 そしてこのバラエティ豊かなプログラムをブルグと交歓するのが、吉井瑞穂(ob)、ギヨーム・サンタナ(fg)、今仁喜美子(p)、桒形亜樹子(cemb)という4人の精鋭。2000年からマーラー室内管弦楽団の首席オーボエ奏者を務める世界的演奏家の吉井は、昨年10月にも銀座・ヤマハホールの公演に出演。17~18世紀の室内楽曲を、作品が今生まれたような瑞々しさを湛えて歌い進んでいたのが圧巻だった。そんな吉井の同僚で、マーラー室内管など名だたる楽団で首席ファゴット奏者を務める気鋭の名手サンタナ。ヨーロッパで長年研鑽を積んだ知性派の今仁&桒形。ブルグの傘寿を祝うのにこの上なくふさわしい豪華で盤石の布陣が整い、今から公演が待ち遠しい!!

 


LIVE INFORMATION

珠玉のリサイタル&室内楽
モーリス・ブルグ80歳記念コンサート
~愛弟子・吉井瑞穂と若きヴィルトーゾ・ギヨーム・サンタナ、仲間達とともに~

2019年11月06日(水)開場18:30/開演19:00
会場:ヤマハホール
出演:モーリス・ブルグ/吉井瑞穂(ob)ギヨーム・サンタナ(fg)今仁喜美子(p)桒形亜樹子(cemb)
www.yamahaginza.com/hall/event/003832/

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