約3年ぶりの新アルバム。音数を絞り込んだバンド感の希薄すぎるアンサンブルにシンセ・ベースやラテンめいたパーカッションが時にまとわりつき、平易ながら抽象的な言葉が投げ込まれ、人肌の温もりをうっすら宿しながらも荒涼とした世界を醸造していく。聴き進めるにつれ、目の前の光景から現実味が剥ぎ取られていくような感覚に襲われるのが恐ろしくも魅惑的だ。ラストの“動物的/人間的”の新ヴァージョンが美しい。