今夏、大阪・舞洲に2万5000人を集めたバンド結成15周年公演を大成功に収めたUNISON SQUARE GARDENが、10月11日(金)にニュー・シングル『Phantom Joke』をリリース。このタイトル曲は、TVアニメ「Fate/Grand Order ‒絶対魔獣戦線バビロニア-」のオープニング・ソングとなっている。本作について斎藤宏介、田淵智也、鈴木貴雄に話を聞いた。

UNISON SQUARE GARDEN Phantom Joke Toy's Factory(2019)

――“Phantom Joke”は今年の頭にはできていたとのことですが、この曲に合わせて作られたアニメのオープニング映像は観ましたか?

斎藤「まだなんです」

鈴木「イントロが流れた瞬間にうわー!ってなれる曲ができたと思います。この曲は間違いなくアニメの邪魔をすることはないし、これ以上ないものができた自信があります。いちアニメ・ファンとして誇らしく思ってます。超優秀なアニメの制作陣に、金ピカのいい感じのたすきを渡せました」

田淵「オープニングを頑張って作るのでこの早い締切ですってことだと思うんで、そういう制作チームはとても信頼ができる。こっちとしてもモチベーション上がるんですよね」

――いつにも増して難しそうな曲ですが、この曲を田淵くんから受け取っての第一印象はいかがでしたか。

斎藤「歌いやすい、難しいに関しては麻痺してるのでよくわかんないですけど(笑)、すごくいい歌だなっていうのは素直に思いました。疾走感と同時にちょっと広い感じも出したかったので、そのへんは意識しました」

田淵「僕的には史上最強に難しいと思ってて、ビビりながら曲を渡したんですけど……〈他の曲のほうが難しい〉って言われた」

斎藤「テンポは速いんですけど、コードが変わるタイミングが他の曲より長いので、そういう意味では他の曲のほうが忙しいかな」

――カップリングとなる2曲目は“ぼくたちのしっぱい”。

田淵「この曲は実は2年前に録ってたんですけど、鈴木くんがいたく気に入ったためカップリングでの収録は見送るっていうことにしてたんです」

鈴木「ライヴのセットリストの中で、大まかにジャンル分けができるんですけど、この曲はできないなと思ったのが一番大きくて」

――2年前に収録したとは全然気付きませんでした。

斎藤「声質はあんまり変わってないと思うんですけど、歌のどこに意識を持ってるかが違います。たぶん自分しかわからないところですが」

――ネガティヴな状況をポジティヴに変換させてあげるユニゾンらしいバラードです。

斎藤「サビとそれ以外のメリハリが結構はっきりしてる曲なので、歌ってても気持ちいいし、演奏してても気持ちいいです」

――3曲目にはインディーズ時代の曲“mouth to mouse(sent you)”が。

田淵「インディーズ時代に仲の良かった大阪のbus stop mouseというバンドが活動休止する時(2008年)にトリビュート的な感じで作った曲です。彼らが昨年復活して、また一緒にライヴやろうと言って今年の4月にできることになって。そのライヴでこの曲をやって、僕らのインディーズ時代を知らない人たちも来ていたので、曲の記憶が薄くならないうちに音源化しました」

――シングルとして絶妙な3曲構成になってますね。CDを買うことに意味がある。

田淵「聴きたい人がなるべく楽に聴けるように配信とストリーミングをやるのと同時に、CDも引き続き買いたくなるように倍頑張る。どうしてもCDを買いたいんだって人には、インディー時代の曲が聴けてラッキーって思ってもらえるほうがいい。そのためへの頑張り甲斐がありましたね」