IOやKEIJUのメジャー進出を含めてメンバー個々の活動にも注目が集まるなか、クルー名義では3年ぶりのフル・アルバムが到着。前哨戦となる今年2月のEP『LOCAL SERVICE』ではトラックメイカーのK.E.Mを共作に迎えてハード・ノッキンなサンプリング・ビートを展開していたが、今作ではNeetzとRyohuが全曲のトラックを担い、アフロ・バッシュメントな“Slide”といった新機軸を交えつつ、痺れる大ネタ使いの“Legacy”を筆頭に甘さ控えめの純正キャンディー節を聴かせてくれる。各々のソロ作で強めたフロウの個性を還元しつつ、それがまとまりなくバラけるのではなく、微熱を伴うクールなトーンで統一されているのは、時折リリックでも示唆される16人目の存在を中心とした絆の深さゆえだろう。