90年代の〈スウェディッシュ・ポップ〉ブームの一角を担ったトランポリンズのフロントマン、ヨハン・ステントープが新ソロ・プロジェクトと共に帰ってきた。長い充電期間を経て放たれた今作は、作詞作曲から演奏、プロデュース、ミキシングまですべてを自身で手掛け、彼のポップ魂が詰め込まれた妥協のない作品。月並みな表現だがポール・マッカートニーやELO、XTCを思わせる素晴らしい内容で、特に捻くれたコード感をメロディアスに仕上げるソングライティングはさらに熟練度を増しており、そうしたマエストロらと肩を並べると言っていいほど。煌びやかなギターと豊かなコーラスが目立つアレンジ、そしてスウィートな声にもセンスの良さが滲み出ていて、ポップ・ジャンキーには大満足の名盤だ。