INTERVIEW

「いい青春だったね」 WHY@DOLL、ラスト・インタヴュー。彼女たちにとってのアイドルとは?

WHY@DOLL『@LBUM ~Selection 2014-2019~』

(左から)浦谷はるな、青木千春
 

去る7月17日に活動終了を発表した、北海道出身のオーガニック系アイドル、WHY@DOLL。2013年11月に上京してから丸6年。知識豊富でセンスの高いコンポーザー/アレンジャー陣によって編まれてきた彼女たちの楽曲は、好事家を唸らせるほどのコク深さを聴かせながらも、ハートフルでダンサブル。人懐っこさに溢れたチャームを放ってきた。これらの作品群は永遠のものであり、それゆえに彼女たちとのさよならも決して寂しいものではないぞ!……と若干強がりながら、ラスト・アルバム『@LBUM ~Selection 2014-2019~』を届けてくれた2人に最後のインタヴュー! 現在の気持ちとこれからの2人の展望に迫ってみました!

WHY@DOLL @LBUM~Selection 2014-2019~ T-Palette(2019)

自分たちのスタイルを貫いてきてよかった

――11月24日(日)のライヴをもって活動終了ということで……活動停止じゃなくて〈終了〉というのが潔くもあり……とはいっても、やっぱりさみしいっていうのがファンのみなさんの率直な感想なのかなあと。

青木千春「ファンの方も特典会のときに活動終了のことについて触れてこなくて、あまり心境を聞くことがないんですけど……」

浦谷はるな「〈残念〉とか〈もったいない〉とかっていうことは少し言われたかな」

千春「そう、〈ほわどるは結婚しても続けるような気がしてた〉って」

はるな「〈いつまでも続いていくものだと思ってた〉ってね」

千春「そう言われたのはうれしかったです。そういうふうに、長い目で見てくれてたんだなあって」

はるな「長く歌っていけるような楽曲が多かったので、それこそ当時の私たちが歌うにはちょっと大人っぽい曲とかもあったりしたから。それもあって、みんなも終わる気がしなかったんだろうね」

――諸行は無常ということで。やはり、決断に至るまではつらい思いもあったと思いますが。

はるな「最終的に意見が固まるまで、2人で話し合う時間が多かったですね。本当にこれで良いのかっていうのを何回も何回も。でも、きっかけはちはるんの体調のことだから、それをいちばんに考えて」

千春「去年の秋ぐらいからバンド・セットのライヴとか新たな試みが始まっていたので、ここで止まってしまうと私たちの成長も止まっちゃうんじゃないかと思って。はーちゃんが〈休んだほうがいいよ〉って言ってくれたんですけど、私のわがままで〈やります!〉って言ったんです。

それで、私のペースに合わせてなんとか支えられながらやってきたんですけど、やっぱり将来のことを考えて……。もしここで無理をして身体がダメになるのはいちばん良くないことだし、はーちゃんにも〈この2人でWHY@DOLLだから、違うメンバーが入るのも違うし、私ひとりでも違うよね〉って言ってもらえたから、じゃあ、残りの限られた時間で成長していく姿を見せて、最後までやりきろうっていう決断に至ったんです。それで自分たちのなかでもスッキリしたというか、そこに向かって最後までがんばろう!っていう気持ちになりました」

はるな「ここまで8年間ずっと止まらずに駆け抜けてきたし、できることはある程度やりきったよねっていう気持ちも私たちのなかにあったので、決断に対して後悔とかはないですね」

――WHY@DOLLのスタイルというものをちゃんと出せてたっていうのは誇れるところだったと思います。楽曲も、ライヴでファンを扇動するタイプのものではなくて、聴かせどころがあって自然と身体が揺れてくるような。

はるな「そうですね、最初こそ苦労したけど。そのスタイルを貫くがゆえに集客が減ったりとか、観てもらえない苦しさとかも当時はありましたけど、いまはそこを貫いてきて良かったなってすごく思います」

――残してきた素晴らしい作品があるので、応援してきたファンの人たちの熱意はそうそう冷めないと思います。

はるな「ライヴの集客は目に見えてわかるから気にしがちですけど、ライヴには来ないけどずっとCDを買ってるっていう方が結構多くて、このあいだも名古屋でのラスト・ライヴで、〈ずっと聴いてたけどライヴは初めてです〉っていう方がいて、そういうふうに作品で評価してもらえていたのはうれしいですね」

――最後を飾る『@LBUM ~Selection 2014-2019~』でもそれはちゃんと受け取れますね。メジャー・デビュー・シングルの“MAGIC MOTION NO.5”も〈2019Remodel〉として再収録されてます。そしてもちろん、新曲もありで。

千春「“MAGIC MOTION NO.5”は歌も録り直して」

はるな「当時よりは多少上手くなってると思う(笑)」

――ここにも〈2019MIX〉で収録されているシングル“菫アイオライト”からT-Palette Recordsでリリースをするようになりましたけど、それ以降の約3年あまりは、WHY@DOLLにとってどういう時期だったと振り返りますか?

はるな「マネージャーさんはずっと同じなんですけど、上京してからお世話になっていたマネージメントから現在のところに変わったのが3年ぐらい前だったので、私たちのなかでは結構変化が大きかった時期でした。T-Palette Recordsには、私たちもよく知ってるNegiccoさんがいて、当時はバニラビーンズさんもいて、私たちが追いつきたい先輩たちがいるレーベルということで気持ちも引き締まりましたね」

千春「アイドルの仲間に入れてもらえたみたいな、そういう気持ちでした。T-Palette Recordsはほわどるに合ってるかなっていうのも自分たちでは思っていたので」

――2人のキャラクターもより明確になっていった時期だったんじゃないかと思います。ちはるんが女の子女の子してて、はーちゃんがちょっとクールで、みたいな。でも、実ははーちゃんってすごく女の子っぽいと読んでるんですが。

はるな「ホントですか!?」

――以前、“曖昧MOON”のインタヴューで「こういう曲を歌いたかった!」って言ってたのが印象的で、こういうセンチな曲が好きなのは女子力の表れだったのかなと。

はるな「そう、あれは失恋ソングですからね。子供じゃ歌えないような曲がようやく私たちにも!と思って、うれしかったんです」

千春「たまに理想の恋愛の話をしたりするんですけど、はーちゃんは乙女心がいっぱいあるんです。インテリアとか、ぬいぐるみも好きだし(笑)」

はるな「言われてちょっと〈えっ?〉って思った話があるんですけど、私、結構ピンクが好きなんですよ。なんですけど、クールっていう印象があるのか、私がピンク好きっていう印象がファンの方のなかにはないみたいで。以前、部屋の写真を載せるような取材があって、カーテンがピンク色だったんですけど、それを見たファンの方が〈なんかはーちゃんぽくない〉って(笑)」

千春「めっちゃクールで、ちょっと姐御っぽい。見た目はそうなんですけど、中身はぜんぜん(笑)。ふわふわしたものをいっぱい持ってるし、見た目でみんなイメージしてるけど、私は知ってるから……うふふ」

はるな「スイッチのON/OFFがはっきりしてるんですよ。WHY@DOLLの浦谷はるなと、オフのときの浦谷はるなの差が激しい(笑)。切り替えてるつもりはないから、勝手に切り替わってるのかも知れない。なので、オフの私を見るとだいぶ違う。電車もよく乗り間違えるし。しっかりしたイメージがあるみたいだけど、ぜんぜんしっかりしてなくて」

千春「朝、私が起こしてあげてるんです、いつも」

はるな「このコントラストがいいんだろうね(結論)」

 

ずっと残る曲になってほしいな

――さて、『@LBUM ~Selection 2014-2019~』の話に戻りますが、“Blue Summer”はステージでずいぶん前にお披露目されていた曲ですよね。今回が初音源化という。

はるな「作っていただいたのは2015年の終わりか2016年の春ぐらいかな」

千春「その頃、ライヴでの鉄板、ファンのみんなが声を出して盛り上がる曲っていうのが“トラベリンバンド”と“ジェットコースター”と“サンライズ!~君がくれた希望~”の3曲ぐらいしかなくって、〈こういう曲があったらライヴで盛り上がれるんじゃない?〉っていう提案をいただいて作っていただいた曲ですね」

はるな「T-Palette Recordsでお世話になることもまだ決まっていなかった時期で、直前のアルバム『Gemini』(2016年)に入ってる曲とは雰囲気の違うものなんですけど、結構人気で」

千春「〈キターッ!〉てなるね。夏の曲で時期が限定されるので、今年の夏のイヴェントではいっぱい歌いました。ラスト・ライヴでも聴けると思います」

――純然たる新曲として収められている“album”という曲は2人で詞を書かれた曲で。編曲にははーちゃんのクレジットもあります(吉田哲人との共同)。

はるな「ずっと残る曲になってほしいなと思って書きました。ライヴ映えとかするような曲ではないかも知れないけれど、ふと聴きたくなるというか、なんか懐かしい気持ちになりたいときとかに聴いてほしいですね。たまたま駅で久しぶりの友達と会ったら、その当時のことを思い出して写真とか見返したくなるじゃないですか。中学の同級生と再会したら、卒業アルバムを引っぱり出してみようかなって思ったり。これは、CDのことを指す〈アルバム〉と写真の〈アルバム〉とをかけていて」

――〈共有してたこのアルバムも これから それぞれ 増やしていく〉というところは、とくにグッとくるポイントですね。

千春「ちょっと哀しい……書きながら、そうなっていくんだよねって、せつない気持ちになりました」

はるな「応援してくださったみなさんにとって大切な一曲になってくれたらいいなって思います」

――アルバムのなかに入っているそのほかの曲で、お2人の思い入れがとくに強い曲はどれですか?……全部ではあると思いますが。

はるな「“ケ・セラ・セラ”と“菫アイオライト”は、聴くとスイッチが入るというか、がんばろうって気持ちになりますね。とくに“菫アイオライト”は、ライヴでも〈カチッ!〉って音が聞こえるぐらいスイッチが入ります。今年の2月に“ケ・セラ・セラ”を出したときは、活動終了のこともまだ決めてなかったので、前向きにみんなの背中を押す曲っていう感じで歌っていたんですけど、活動終了を決めてから改めて歌詞を読んだり歌っていたりすると、また違う意味に聞こえてくるんです」

“菫アイオライト”のダンス・ムービー
 

千春「私は“夜を泳いで”と“ラブ・ストーリーは週末に”。“夜を泳いで”は仮谷せいらちゃんに歌詞を書いてもらったんですけど、同世代の女の子に歌詞を書いてもらうことってなかなかないし、それも同じ上京組でもあるので、聴いたときにめっちゃ共感できる!と思って。この曲はひとりずつ歌うパートがあるんですけど、1番と2番で私とはーちゃんのパートが分かれているのは初めてだったし、バラードでせつない曲ですけど、私のなかでは勇気をもらえる曲」

――そもそも、ほわどるみたいに2人とも上京組っていうユニットもそういないですよね。

はるな「たしかに、グループのなかで何人かが上京組っていうのはよくありますけど、いっしょにやって来ましたっていうのはなかなかいないですよね。いまだに一緒に住んでるって言うと、知らなかった人はびっくりしますし、もう6年もいっしょに住んでるので、一人暮らしもちょっとしてみたかったな」

千春「東京でのひとり暮らしは憧れでしたね」

はるな「私は三茶(三軒茶屋)に住んでみたかった! 業界の人がいっぱい住んでるイメージだし、美味しい食べ物屋さんもいっぱいあるから(笑)」

千春「私は平穏なところに住みたいです。二子玉川とか?」

――活動ではある程度やりきったということでしたけど、東京生活ではやり残したことがあったと。

はるな「そうですね。オシャレなカフェめぐりも東京にいるあいだにしたいし、ちはるんは神社巡りだよね?」

千春「そう、東京はいっぱい神社があるから、今年から御朱印集めをはじめようって思い立ったんですけど、まだ江島神社にしか行けてなくて(笑)」

はるな「また旅行で来ようね!」

江島神社を訪れた様子も盛り込まれた、2019年5月公開の〈ほわどるのVLOG〉#1

 

いい青春だったね

――さて、そろそろまとめに入りたいところなんですけど、2人にとってWHY@DOLLとは、どういうものだったと言えるでしょう?

千春「名前の真ん中にある@には、〈いつでもファンの人とアットホームなライヴをする〉みたいな由来があって。ずっと大切にしながら続けてきたんですけど、それは8年間ずっとできてたかなって思います。ちょっと離れちゃっても、たまに戻ってくると〈やっぱ、ほわどるが実家だわ〉〈帰って来たくなるわあ〉って言ってもらえることも多かったので、そういう場所をちゃんと作れてたんだなって思うし、WHY@DOLLの曲を聴くと癒されるとか、そうやってみなさんの力に少しでもなれたと思える8年間だったので、私はWHY@DOLLで良かったなって思います」

はるな「私にとっては、ずっと挑戦し続けられる場所でした。自分が成長するためにとか、グループが良くなるために次のライヴはこうしようとか、常にそういうことを考えて活動できてたのは、ステージを観て応援してくれるみんながいたからで。観てくれる、聴いてくれるみんなの生きる力になりたいっていう思いは私もちはるんといっしょで、〈WHY@DOLLを観て癒されたから、明日の仕事もがんばろう〉とかっていう声を聞くと、そういう存在になれてたのかなって。がんばってきて良かったなってすごく思います」

千春「いい青春だったね」

はるな「これからは2人それぞれいろんなことを吸収して、アイドルではできなかったことにチャレンジしながら、人間として成長していけたらいいなって思ってるので、しばらくはその時間に充てたいと思います」

千春「私はまず体調を戻して、ですね。ちっちゃい頃からずっとアイドルになりたいって言ってきたので、WHY@DOLLが終わると、それ以上のものがなくて。でも、人の役に立つようなことがやりたいなって……具体的なものは何もないんですけど、そういうものを見つけたいなって思います。ゆっくり考えて新しい道を見つけたら報告します!」

――札幌にいながらCDだけ出すとかね。そうとなれば吉田哲人さんがすぐに曲を作ってくれると思うので(笑)。

はるな「それぐらいラフな気持ちで、またやりたくなったらのんびりとやれたらいいね」

千春「そだね!」


LIVE INFORMATION

WHY@DOLLレギュラー公演~Two sides glowing up~vol.15『総決算リクエストアワード2019』
11月5日(火)東京・渋谷Glad
開場/開演:19:00/19:30
出演:WHY@DOLL
チケット:前売り2,000円/当日2,500円

WHY@DOLL「@LBUM ~Selection 2014-2019~」発売記念イベント@タワーレコード横浜ビブレ店
11月6日(水)タワーレコード横浜ビブレ店
スタート:19:00~
内容:ミニライブ&特典会
※ミニライブ観覧無料
※特典会は列が途切れ次第、終了となります。
★詳細はこちら

WHY@DOLL「@LBUM ~Selection 2014-2019~」発売記念イベント@タワーレコード渋谷店 
11月7日(木)タワーレコード渋谷店5階イベントスペース
スタート:20:30~
内容:ミニライブ&特典会
※ミニライブ観覧無料
※規定の人数を超えた場合、入場規制をかける場合がございます。
※特典会は列が途切れ次第、終了となります。
★詳細はこちら

WHY@DOLL「@LBUM ~Selection 2014-2019~」発売記念イベント@タワーレコード梅田NU茶屋町店
11月9日(土)タワーレコード梅田NU茶屋町店
12:00~
内容:ミニライブ&特典会
※ミニライブ観覧無料
※特典会は列が途切れ次第、終了となります。
★詳細はこちら

WHY@DOLL「@LBUM ~Selection 2014-2019~」発売記念イベント@TSUTAYA EBISUBASHI
11月9日(土)TSUTAYA EBISUBASHI 6F イベントスペース(観覧フリー)
開場/開演:16:40/17:00
内容:ミニライブ&特典会
集合時間:開演20分前
集合場所:4Fエンタメフロア
※6Fイベントスペースまでは階段で移動します。予めご了承下さい。階段での移動が困難なお客様は事前にスタッフまでご相談下さい。
★詳細はこちら

WHY@DOLLラストライブツアー~We are always here for you~大阪公演
11月10日(日)大阪・ESAKA MUSE
DANCE LIVE:開場12:30/開演13:00
BAND LIVE:開場18:00/開演18:30

WHY@DOLLラストライブツアー~We are always here for you~東京公演Day1
11月23日(土)東京・浅草花劇場
BAND LIVE:開場14:00/開演15:00 SOLD OUT!
出演:WHY@DOLL
B@NDOLL:大久達朗(Gt)、鳴海克泰(Ba)、大菊勉(Dr)、鳴海碧(Key)、越川和磨(Gt)、エトウヒロノリ(Tb)、PITARI(Tp)、石井裕太(Sax/Fl)
★詳細はこちら

WHY@DOLLラストライブツアー~We are always here for you~追加公演
11月23日(土)東京・浅草花劇場
BAND LIVE:開場18:00/開演19:00
出演:WHY@DOLL
B@NDOLL:大久達朗(Gt)、鳴海克泰(Ba)、大菊勉(Dr)、鳴海碧(Key)、越川和磨(Gt)、エトウヒロノリ(Tb)、PITARI(Tp)、石井裕太(Sax/Fl)
ゲスト:日高央
★詳細はこちら

WHY@DOLLラストライブツアー~We are always here for you~東京公演Day2
11月24日(日)東京・浅草花劇場
①開場13:00/14:00 SOLD OUT!
②開場17:00/18:00 SOLD OUT!
出演:WHY@DOLL
★詳細はこちら

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